国際社会では強い胃袋が必要 (2010年05月号) |
食べ物への情熱とグルメの旅
「金さんは、天下国家を論じるのと同じような情熱で食べ物の話をしますね」と若い友人に言われたことがあります。
たしかにその通りで、食べることに関しては、たいへんな執着があります。
朝食は必ずおいしいパン、昼と夜は台湾料理。外食は自宅でつくれないようなフレンチ、イタリアン、和食にします。
和食は懐石ではなく、美味しいてんぷら、鮨などが好きで、北海道のようにお魚の新鮮なところに出掛けた時は、塩焼きや煮付けにした素材優先です。
先日40人ほどの方と「金美齢と巡る歴史とグルメの旅」で台湾に行って参りました。
台湾人が第一の恩人という、八田與一がつくった烏山頭ダムや、台湾の移民史を中心とする1600年代から現代までの歴史を台南でふり返っていただきましたが、夜は上海料理、台湾の伝統的な台南料理、それから四川料理と、これぞ金美齢推薦の美食グルメということで皆さんに愉しんで頂きました。
国際社会で主張できない理由
帰国した翌日、マカオ、香港での学校説明会に出掛けてきたJET日本語学校の教務主任から次のような話を聞きました。
説明会参加の日本人有志で出掛けたところは現地に住む沖縄の人が経営している沖縄料理か日本料理の店で、そういうところだと落ち着くという。世話人がしっかり気を利かして、皆で寛いだそうです。
一泊か二泊の香港で広東料理も食せず、選んだレストランが和食の店では、国際社会で自己主張できないのも道理です。
忘れもしません。1994年のナポリ・サミットに出掛けた村山富市首相がお腹をこわしたとかで首脳の集まる晩餐会に出席できなかったこと。
国際社会で活躍するには、教養、知識、語学だけではなく、実はそれら以上に「強い胃袋」が必要だと思うのです。何処に行っても日本人の集まる所、日本風の食べ物を求めているようなヤワな気質では、国際社会で勝負するのは無理だと思います。