プロとしての格好と振る舞い (2010年04月号) |
TPOをわきまえない服装
バンクーバー五輪スノーボード・ハーフパイプの国母和宏選手の服装が話題になりました。
服装によって自己主張、自己表現する傾向が確かにあります。しかしそれはTPOをわきまえた上でのはなしです。公的な場なのか私的な場なのか。仕事なのか遊びなのか。周りが先輩や後輩なのか同年輩なのか。朝か昼か夜か、場所はどこなのか、どのような状況なのかを全て考慮する。それに適した服装こそが最高のおシャレとなるのです。それにTPOは、社会生活のルールでもあり、大人であればこれを外すわけにはいきません。
国母選手が日本代表として五輪に参加する以上、当然それなりのルールや心構え、TPOをわきまえることが必要で、服装の乱れで批判を浴びるのは当然です。それに対して、「反省してまーす」と語尾を延ばしての発言、一応謝っては見せたけど、本当は反省していない、という表れであり、また批判されています。結局、落とし所は入村式出席自粛で競技出場ということになりました。これが厳しいのか甘いのかは意見が分かれるところですが、若い人への教訓になったでしょう。
舞妓さんのプロ意識
先日、大阪から東京に帰る新幹線「のぞみ」に、京都から舞妓さんが2人、それに付き添いの姉さん芸者、置屋のお母さんらしき2人の計4人が乗ってきました。朝早くです。それにもかかわらずお座敷に出るような服装で、髪もしっかり結い上げ簪(かんざし)で飾り、プロとしての正装。東京まで2時間以上もきりっとした姿で、朝食のパンを食べるときは着物を汚さないように手拭いを胸に当てていました。東京での仕事に向かう、その格好、立ち振る舞い、あぁ、これがプロフェッショナル、職業意識だ、と見入ってしまいました。往復5時間の旅、その姿ではさぞや疲れたのではないかと他人事ながら心配です。
舞妓さんはおそらく未成年。国母選手は21歳、国を代表して出かけるのだ、と自覚すべきだったと思います。