NHK番組『アジアの"一等国"』はひどすぎる (2009年06月号) |
NHK総合テレビが4月5日に放送した「NHKスペシャル・シリーズJAPANデビュー第一回『アジアの"一等国"』」の終了直後、多くの疑問が、筆者のホームページに寄せられた。
「今回のNHKの番組は、私が見たNHKのドキュメンタリーの中で最も偏向した内容に感じられました。中国共産党や中国国民党の歴史観に則った日本の左翼反日思想そのものでした。今回のNHKの編集の仕方では、日本統治のみならず、戦後も筆舌に尽くしがたい御苦労された柯徳三さんなどの日本語世代の方々の日本への複雑な思いの真意は、日本人に対して歪曲して伝わってしまうと思いました」
「何度か台湾に行くたびに、その親日度に感心し、ありがたく思っていました。たしかに、多くの負の部分があったことは当然と思いますがNHKは、それだけを強調するだけで、八田與一ほか、全霊をこめて、台湾の人たちに尽くした日本人たちのことは全く触れていません」
「私は あの番組の中で言っている事は事実だと思いますし、台湾の方々のコメントも本心であると思います、国を奪われ 皇民化されていった台湾の方々には日本人として 本当に申し訳ない気持ちです。ただ 番組の内容を見てみると 台湾の全ての人は日本統治を100%否定し 日本を憎んでいるとあたかも感じられる内容でした。果たしてそうなのでしょうか?現在の台湾の人を見ていると日本統治のいい面も悪い面も理解していると思っています。番組の内容構成は 多分にアンバランスな構成になっており ある意図を持って作られていると思えました。日本人にはこれからも重い十字架を背負ってもらう為のくさびでしょうか?日本と台湾との離反をもくろむ意思なのでしょうか?反日国家だらけの極東において台湾国は信頼できる重要なパートナーです」
「私は最近、小林よしのり氏の「台湾論」を読んだばかりで、てっきり、日本の台湾統治にて良き統治をした事柄が紹介されるのかと思っていました。しかし、番組内容は日本の支配で抑圧された事柄ばかりが紹介されており、なんと日本は悪いことをしたのかという内容で、特に歴史的背景のわからない人が見たら『台湾になんと酷い統治をしたのだろうか』としか思えない内容でした。内容が真実かどうかは私には良くわかりません、たとえ『負』の部分があったとしても、そこばかりを放送するのではなく、良い部分も放送するのが正しい放送ではないのかと、悲しくなりました。NHKでこんな放送がされてしまうなんて、、日本がこの先どのようになってしまうのかとても不安になります。台湾といえば、金先生だと思い、このページにたどりついて、これを送っています。」
引用はほんの一部で、他のメールもレベルの高い理路整然とした意見だった。余りの反響の大きさに8日とりあえず次のようなコメントを載せた。
「4月5日のNHKスペシャル『アジアの"一等国"』という番組はひどすぎるというメールをたくさんいただきました。私もまったく同感です。まずは自虐史観ありき、そこが出発点の番組だったような気がします。日本人が反省するのは勝手だとしても、台湾の人たちにまで、ある種の偏見を押し付けるような取材の仕方や編集は、私には許せません。台湾は世界一の親日国家と言われており、それは台湾に足を運んでいただいた方々に実感していただいていることです。台湾人のあっけらかんとした日本人への好意は、50年間の日本統治がNHK報道のようにひどいものであれば絶対にあり得ません。
番組のなかでは、日本人と一緒に台北第一中学校で学んだ方々の、いじめられた、差別された、という発言だけが凸出しています。しかし、もし自分たちの受けた教育に対して否定的な思いだけを抱いているのであれば、戦後六十数年たった現在でもあれだけ流暢でレベルの高い日本語を駆使するでしょうか、使うでしょうか。日本が嫌いであれば、自分が学んだ日本語は永久に封印するはずです。
あの番組を観た多くの日本人が、日本がひどいことをした、とだけの偏ったインプットをされたとしたら、非常に不公平で、不幸だと思います」
残念ながら150年の日台の歴史に関心を持ち、冷静な判断を下せる日本人は少数だ。公共放送のNHKが大多数の日本人をミス・リードする番組を垂れ流しにすることは絶対許してはならないのである。