マニュアル通りではなく、考えて欲しい (2010年11月19日)

 

 今週、秋田県大館市へ行ったときのことです。翌日が福岡県大牟田市での講演なので、朝羽田を発って青森空港へ、大館市で講演、終了後大館能代空港へ、羽田空港経由で夜福岡空港到着という日程でした。羽田空港から青森空港へは少ない便のためか満席、あわや3人がけの真ん中の席に、ちょっと不機嫌なスタートとなりました。

 青森空港は1℃で冷え込んでいましたが、大館に向かう途中でしだいに温かくなり、富士山に似た岩木山、すでに冠雪している山々、ところどころ残る紅葉などを眺めて機嫌も上向き、到着後いきなりきりたんぽ鍋をご馳走になり、比内鶏の美味しい出汁の鍋で身も心も温まり、しかも、もめることもある講師選びだが今回は全員一致ですんなり決まった、講演会は例年にない盛況、などと聞いて機嫌は完全に回復しました。

 ところが帰りの大館能代空港、羽田からの福岡行きは最終便、乗り継ぎに失敗すると翌日の講演ができないので念のために確認したところ、乗り継ぎ時間が足りません、とのこと、慌てました。時間は45分あるのですが、羽田の第1ターミナルから第2ターミナルへの移動・乗り継ぎには50分の余裕が必要です、時刻表に書かれています、との一辺倒で何の提案もなければ相談に乗ってもくれない、というか対応できない、決められたことしかできない、という感じです。そこで、45分しかない場合はどうしたら良いのか、同じターミナルから同じ時間に出る他社最終便に乗れないのか、などと質問しました。相談のために事務室へ入ってなんと1時間、僅かこれだけの質問に1時間ですよ。何かあった場合に柔軟に対応する、頭をフル回転させて解決策を見出す、そんなことができない、マニュアル通りのことしかできない、そんな若者の姿を目の当たりにして、暗澹たる思いでした。結局、乗り継ぎ移動をスムースにするため案内人をつける、ということになったのですが、羽田到着が少し早目だったためか、案内人がいない、仕方なくひとりでモノレールで1駅移動、150円、チェックインカウンターに着いたのは出発の30分も前でした。50分っていったいなんなのでしょう。

 だいたい一国の大臣たるものが、決まり切った対応をすればよい、楽なものだ、などと公言する、自分の任務、責任、立場が全く分かっていないと言わざるを得ない状況です。国をリードしなくてはいけない立場の人からしてこのレベルですから、このような若者がいても不思議はないのかもしれません。でもこのままではいったい日本はどうなってしまうのでしょうか。こんな若者が増え、こんな大臣が出てきて、日本再生は遠のくばかりです。一人ひとりが踏ん張って、頑張っていかないと、そんなことをあらためて感じることとなった大館能代空港でした。

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