天国と地獄 (2010年06月11日)

 

 7日月曜日に日本テレビ「太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中」の収録がありました。11日金曜日(本日)夜8時放映ですのでぜひご覧ください。「ニュースの主役、許せる、許せない」のコーナーでは例によって罰ゲームが、ピュ――ってすさまじい勢いで何か出てくるんです。これは世間がどう思っているかを答えるのですが、わたくしは自分がどう思ってるかで答えている、ですから罰ゲームともなるのですが、いつも誰かの後ろに隠れる、今回は山本一太さん、山本さんもだいたい同じ側の答えでしたので。ところが最後の問題でわたくし一人となってしまいました。さすがに、カンニングの竹山さんが同情してくれて2人とはなりましたが。ところが意外な結末、面白かったですよ、ぜひご覧ください。

 8日は東松島での「五人講演会」、って訳わからないでしょうが、これは市民ボランティアによる市民大学のようなもので、年5人の講師を呼んで、もう23年も続いています。わたくしが今年のトップバッターでした。5人分、つまり5日分全部切符を買うと4,000円、当日のみだと1,200円、その当日券がこれほど売れたのは初めて、とボランティアの方がおっしゃっていたそうです。

 終了後、石巻市に住んでいる青年会議所の卒業生が迎えにきて、その方もわたくし同様に食いしん坊、石巻の美味しいお寿司屋さんに連れて行っていただきました。そこでは、わたくしのためにいろいろとご用意いただき、地元の美味しい海のものをご馳走になり、夜遅い時間でしたが、ゆっくりすることができました。

 その後ホテルへ。駅に近くて便利ということで、何回か泊まったことのある仙台のメトロポリタンホテルです。夜11時ごろで遅かったということもあるのでしょうが、チェックイン後、荷物を運んでくれる案内役のベルが来ない、フロントも何も言わない、「わたし一人で行くんですか?」と尋ねて初めて奥に入ってベル役の男の子を呼び出しました。翌朝、大きなハンドバッグを肩に、大きな花束を抱えて、キャリアバッグを引きながらフロント階に行くと、綺麗な制服を着た数人の女性ベルがいる、おはようございます、との挨拶まではよかったのですが、お荷物をお持ちしましょう、とは誰一人として言わない。初めてです、こんな経験。まともなホテルであれば、どこでもすぐに手伝ってくれます。それがただ突っ立ってるだけ、なんのためのベルなんでしょう。

 チェックアウトを済ませるとやっと、マネージャらしき人がオフィスから出てきて挨拶したので、躾が悪いですね、と申し上げておきました。ベルの教育がなってない、サービスはホテルにとってとても大切なのに、そんな教育をしていない、地の利があって繁盛しているのかもしれませんが、これでは話になりません。近々また泊まる予定があったのですが、宿泊を手配していただいた担当の方に「メトロポリタンはやめてください」と別のホテルに替えていただきました。

 チェックアウトが30分ぐらい予定より早かったので、1本前の東京行に乗ろうとしたのですが乗れず、結局、30分待っての乗車となりました。仙台という大都会から東京に行くというのに、この時間帯は1時間に3本しかないのです。便が頻繁にあるJR東海の感覚だったので、JR東日本は違う、ということをここで思い知りました。

 そういえば前日、仙台に行くときグリーン車も混んでいました。便数が少ないんですね。それに、東京から乗り込んだ隣の男性、同じような白髪、でも多分わたくしよりは若い、その人がいきなり靴を脱ぎ、おまけに靴下も脱いで、プーンと臭う素足をわたしの目の前に突き出すんです。それが仙台まで。ほぼ満員で席を替えることもできず、臭うその素足から逃げようと、ずっと窓の方を向いていました。グリーン車を利用するような人で、これほどマナーをわきまえない男性がまだ生存していたなんて、もうへきえきです。

 ところが、翌日の東京行グリーン車、隣の男性がそれはジェントルマン、びしっと決めたスーツと素晴らしい靴、窓側の席なので、「すいません」と中に入り荷物を席に置くと素早く「上げましょうか」と、めったにないんですよ、そんな声をかけてくださる方は。その後、おもむろに出したのが革のブックカバー、本を読み始めました。教養ある紳士なんでしょうね。身なりもマナーも素晴らしい、前日の人とは大違い、これを「天国と地獄」とでも言うのでしょう。大学の先生かな、でも大学の先生はこんないいスーツは着てないかな、と考えつつ、邪魔するのも悪いのでそのままでしたが、東京駅直前の、いまだったら話しかけてもいいかなというチャンスに「失礼ですが、どういうお仕事でしょうか?」と尋ねると、建築会社、とちょっと想像外の答えが返ってきました。育ちのよい、教養ある方にちがいありません。

 東京駅に到着したとき、前の席のご婦人がその方にご挨拶していました。そのとき、そのご婦人がわたしを見て、「あっ、先日はお世話になりました。大島 理森(おおしま ただもり)の家内でございます」と挨拶されたのです。一瞬分かりませんでしたが、自民党幹事長の奥さまでした。若くて素敵な方です。大島さん、怖い顔してるなんて誰かに言われたようですが、こういう奥さまのご主人ですからきっとそれなりの中身の方なのです。

100611.jpg メニュー(写真クリックで拡大表示されます)

 東京に戻った夜は恵比寿ガーデンプレイスのジョエルロブション、ヒノキ新薬の社長さんに迎えに来ていただき、エスコートしていただいての夕食です。これがとても楽しみでした。行きたいと思っていて、お誘いもいただいたのですが、なかなか日にちが合わず、涙をのんでお断りしたことがあり、やっと想いが叶いました。親友の娘で、2年前の『ウィーン・フィルと旅する地中海クルーズ』に連れていった子、とても食いしん坊で、日本に来たときにロブションでランチを食べ、あそこのランチは美味しい、ディナーは高いのでせめてランチだけでもいってらっしゃい、と勧め、会うたびに「ロブションに行った?」、「ロブションに行ったの?」と訊くのです。こんどはすかさず「はい、ディナーに行ってまいりました」と大威張りで答えることができます。ご参考までに、メニューを掲載いたします。

 それにしても日本の有権者はどうかしています。ツートップが辞めて、表紙がちょっと入れ替わったとたん、なんですか、支持率V字回復ですか。こんな簡単なことで、V字回復とは何事です。先週のこのコラムにも書きましたが、民主党のみなさんがいったい何をしていたのですか。鳩山前首相のミスやりたい放題、小沢前幹事長の独裁し放題、それを黙って見てて何も言わなかった人たち、菅さんは「普天間問題関係ありません」というような顔をして、とにかく難しい問題には手を触れず、次の首相狙いだけ、カメラに写る菅さんはたいてい眠ってる。他の国会議員も、責任ある行動をとったのですか、あの二人の暴走を、失敗を、止めようと何か努力したのですか、二人が辞めれば何も問題ないのですか。民主党自体に問題があることを忘れて、表紙が入れ替わったとたんにV字回復って、いったい日本の有権者は何を考えているんですか。わたしの血圧は上がるばかりです。おかげさまで、実際に胸が痛くなり、大事をとって昨日病院で診てもらいました。日本がどうなるのか、あまりにも心配で。

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