奇遇と驚きの会食 (2010年06月15日)

 

 11日は郡山へ、またJR東日本です。この日の隣の席はジェントルマンでした。なぜか、かなりご年配のツアー客が多いJR東日本、そのなかをかき分け掻き分けわたくしの方に近づき、隣に座ろうとしたとき、わたくしのキャリーバッグを見て、上げましょうか、って言ってくださいました。お話しをするととても愉快な方、これから福島、そこでタフなネゴシエーションが必要なのでお弁当をしっかり買ってきた、でも年配の女性の隣で食べてもよいのやら迷った、とおっしゃっていました。礼儀正しい方です。相馬出身で、福島のいろいろな楽しい話を聴かせてくれました。

 尾瀬の福島県側入口にある檜枝岐(ひのえまた)村、そこでは地元の方々による歌舞伎公演があるそうです。舞台を囲む山肌斜面に客席があると聞いて、ギリシャ悲劇の円形野外劇場を思い浮かべました。地域共同体の催し物、それが芝居、ということも似ています。興味深いそんな話題で盛り上がり、ぜひ尾瀬へ遊びに来てください、ということにもなりました。電車の中ではいろいろな出会いがあります。前回のコラムにあるような不愉快な体験もあるのですが、こうして人間関係が広がるような素晴らしい出会いもあり、総じてはまんざらでもないということでしょうか。

 郡山は法人会での講演でした。終了後は仙台へ、翌12日が塩釜青年会議所の設立35周年記念講演で会場は多賀城市です。仙台に到着した夜は青年会議所の方々と食事、橘寿司という美味しいお店に連れて行っていただきました。以前仙台で講演したとき出会った県会議員の方がお寿司屋さんを経営されていて、そこはとても美味しいとかねがね聞いていたのですが、偶然にも、まさにその店だったのです。さらなる奇遇は、この県会議員さん、塩釜青年会議所理事長の親戚でした。そんな縁でこの店となったようです。

 食事中、前々回のコラムにある永平寺訪問の話をしたら、永平寺で1年ほど修業しました、と青年会議所の理事長さんに言われ、もうびっくりです。次に驚いたのは、雲水が脚気にかかるということでした。栄養失調気味だった戦時中の病気で現代とは無縁、と思っていましが、それほど大変な修行なのです。ストイックな生活をされ、苦労に耐える修業をされ、そういうことを経てひと回りもふた回りも大きくなるということなのでしょう。美味しいものもさることながら、出会い、奇遇、驚き、の会食でした。

 12日の塩釜青年会議所の講演会、一般公開なのでたくさんの参加問合せがあって、そのほとんどが女性だったそうです。青年会議所側はそのことにびっくりしたとのこと。当日は男女半々ぐらいで、満席となり、若者たちの苦労が実りました。会議所のメンバーは、自分たちにできることはないか、真剣に考え、実行しています。子どもたちの5日にわたる100キロウォーキングといった催し物を、忙しい思いをしながら開催している、そんな姿を一般の方々にもお伝えし、この若者たちにささやかなエールでも結構ですから送ってあげて下さい、できる範囲で協力してあげて下さい、とお願いして講演を終えました。

ページトップへ