美齢塾 in ニューヨーク (2012年05月10日) |
とても素晴らしいニューヨークでの日々でした。ゴールデンウィークにかけてほぼ2週間、4月25日に羽田から関空に飛び、翌26日に関空からニューヨークへ、ゴールデンウィーク最終日の5月6日に関空に、そして羽田に着きました。
東京・ニューヨーク往復の日本航空マイレッジ特典切符を10ヶ月ほど前から申し込んでいましたが、最後の最後までウェイティングで結局アウト、仕方なくチャイナ・エアラインでの関空・ニューヨーク往復としました。そのニューヨークからの帰りの飛行機、空港を飛び立つために滑走路に移動中突然引き返すはめに、なんと、空港当局に提出する書類1枚を未提出のまま飛び立とうとしていたとのこと。提出のために戻るという、実に間抜けな話です。機内で、通路を隔てた席の白人に、これって誰の問題、と訊いたら、おそらくエアラインだろう、と、それからしばらくして、まあ両方だろう、って。飛行機に乗って半世紀、滑走路への移動中に引き返すなんて初めて、それも間の抜けたミスで、これで1時間半も遅れました。とんでもないことです。もともと機材到着遅れで30分遅れの出発だったので、合計2時間の遅れ、その遅れのまま関空に到着しました。
到着したのが5月6日のゴールデンウィーク最終日、多くの便が満席、わたくしの乗換便は3時間あまり余裕のあった全日空羽田行最終便でしたので間に合って、無事自宅に帰ることができましたが、乗継便に間に合わなかった方々は代替便の確保ができなかった様子です。中には、午後6時過ぎの到着予定に対して午後7時過ぎの乗継便をとっていて、間に合わない、どうしてくれんだ、と詰め寄る方もおられましたが、これはちょっと、もともとの判断ミスでは、という気もします。だいたい何もなくても、イミグレーション通過や荷物待ちなどのもろもろの手続きで、早くても30分、遅ければ1時間はかかるわけですから。国際便から国内便への乗継には、それなりの危機管理が必要でしょう。大事をとっての全日空最終便、わたくしのいつもの危機管理が功を奏しました。
相変わらず時差ボケに弱いわたくし、歳をとったためか、ますますひどくなっています。特に帰り、ニューヨークから関空まで一睡もできず、まあ、無理して寝ないでも到着すれば夜だから日本で寝ればいいでしょう、などと考えていましたが、帰ってからもスムースには眠れません。
散々の日本への帰国とはなりましたが、ニューヨーク滞在は、それは素晴らしいものでした。天候はだいたい5分の2ぐらいが晴れの日で、その他の日はあまりよくなく、気温はほとんど真冬の東京で、散歩も思うようにはできないという状況のなかではありましたが、オペラ三昧の楽しい日々となっています。4月26日に到着して、ホテルにチェックインしてからすぐにメト、メトロポリタンオペラハウス、のチケット売場に駆けつけ、ワーグナーのリングサイクル4部作のチケット全てを購入しました。値段はメトが決めている最高額に近く、かつ同額を寄付するので、その倍となります。リングサイクルの場合、それだけの寄付がないと膨大な公演経費が賄えないのです。この寄付金額は、個人の所得申告のときに所得から減額することができます。前回の4年前は寄付も含めて1枚450ドル弱から700ドル弱でしたが、今回は200ドルほど値上がりして650ドルから900ドル弱、ここまできてケチることもない、と購入しました。まあ、その間に円高が進んだので、プラスマイナス零という感覚ではありますが。リングサイクル4部作は高額チケットのためまだ残っていたようですが、500ドル弱で寄付のない「椿姫」は売り切れでした。ニューヨークでオペラを楽しもう、と企画した「美齢塾 in ニューヨーク」の目玉が「椿姫」だっただけに気は焦りましたが、苦労の挙句後日購入することができました。
ニューヨーク到着日がリングサイクル最初の「ラインの黄金」公演だったので、夜再びメトに出かけました。でも、席に着いて、オーケストラの演奏が始まったとたんに、かくっ、と眠りに落ちてしまいました。しかし、一番大切なシーンでなぜか目覚めしっかり観て、また、かくっ、と眠りに、気付いたときはカーテンコールでした。長いワーグナーの大作のほとんどを寝ていた、という実に贅沢なバックグランドミュージックでの昏睡、まあ、めったにできない体験ではありました。後日の「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」はしっかり楽しみましたが、それはいづれどこかでお話ししたいと考えています。
美齢塾塾生のみなさんとは、約束していた「椿姫」公演2日間とも一緒に観ることができ、ときどき食事を、大好きなフリックコレクションの中庭でお話しを、わたしのホテルの暖かい一室でセントラルパークの素晴らしい眺めを楽しみながらのお茶会を、天気が良ければセントラルパークでのピクニックにでもと思って持参した福砂屋本店のカステラやお煎餅を食べ、塾生の一人が持参した台湾烏龍茶「金美齢のお茶物語」や部屋のコーヒーなどを飲みながら、それは素敵な時間を過ごすことができました。
今回のニューヨーク滞在、90点はつけてもいいでしょう。帰りの飛行機の間抜けなミスでマイナス5点、時差での苦労でマイナス5点、トータル80点のニューヨーク行きでした。
月刊WiLL6月号に掲載した橋下さんに対する意見でメールをいただきました。一通はタイトルだけ見て、中身は読んでない様子での批判でしたが、このように反応するのが維新の会を応援している人たちなのでしょうか。もう一通は、橋下さんが府知事時代にやったこと、できたことをこと細かく教えてくれています。それはそれでありがたいのですが、わたくしが知っている大きな約束は何一つできではいないのではないでしょうか。伊丹空港と関西空港の合併とか、府庁の移転とか、です。基本的には、橋下さんは好きです。でも無責任にはやし立てる彼を取り巻く人々の今の動きにはやはり警告を発さざるを得ません。