あと9日で運命が決まります (2012年01月05日)

 

 もう一度、新しい年を迎えてのご挨拶をさせていただきます。新年あけましておめでとうございます。年末年始を台湾で過ごしていますが、いよいよ本日東京に戻ります。28日夜に台北に到着して、29日から連日いろいろな方と夕食を共にして、美味しいものを食べてとても良い年越しとなりました。台北の常宿で顔見知りになったり、知り合いになった日本人も多く、その中でこの年末年始を台湾で過ごすという方々、それに美齢塾の若者たちもやって来て、多いときは二十数人というような、宴会に近い夕食もありました。

 年末年始、台北は曇りの日が続き、ときには雨が降っています。毎年こんな感じです。息子家族も毎年のようにここで過ごしていますが、息子の連れ合い曰く、台北で青空を見たことがない、と。この時期にしか休みが取れない人も多く、選択の余地はないのですが。

 そんな中、1月14日が投票日となる台湾総統選挙で国中がどんどんホットになっています。新聞やテレビでは、各陣営が、批判や宣伝合戦を繰り広げており、総統候補たちは台湾全土を駆け巡っています。それぞれがアンケート調査や世論調査で自陣営が勝っている、と主張しており、いったいどこまでが本当で、どこまでが宣伝なのか分かりません。国民党の馬英九陣営は10ポイント、つまり10%リードしている、と、民進党の蔡英文陣営は控えめに1%、と。誰に聞いても、分からないか、五分五分、強気の人は、蔡さんが勝つ、と。国民党側は知り合いがいないので分かりません。マスコミは、蔡英文派のグリーンはグリーンにエールを送り、国民党派は国民党の功績といったものを書き立てていて、まー、賑やかなこと賑やかなこと。とにかく、台湾の運命がかかっている今回の選挙ですから。

 エバー航空などで日本でもよく知られている長栄財閥、そのトップが、誰を応援するとは言わないが、92年の共同声明を支持する、と一昨日発言しています。これは国民党を支持するということを暗に意味しているのです。大きな企業をいくつも抱え、商売している財団としては、首根っこを中国に掴まれているわけですから、蔡英文を応援するとはまかり間違っても言えません。台湾の大企業のほとんどが中国に投資し、中国で商売していますから、同様の状況に追い込まれています。

 ですから最初からフェアな戦いではないのです。しかも国民党は世界一金持ちの政党、敗戦で引き上げた日本の全財産を自分たちの物にした結果なのですが、そのお金にものをいわせて、新聞広告やら人の動員やら、金をばらまいています。そんな国民党有利な戦いの中で、台湾人がどこまで将来を見つめ、自分の貴重な一票を投じることができるか、あと9日で運命が決まります。気が気ではないのですが、もう投票権もなく、ただ祈るだけです。

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