「これからの台湾は君たちに任せたよ」(李登輝元総統) (2012年01月25日)

 
120125.jpg 新宿御苑の雪景色

 からからに乾燥した日が1ヵ月以上も続いた東京、今週になってやっと雨が降り、夜になって雪となりました。雪の翌朝は晴れ、滑りやすくなった道を慎重に歩いて事務所へ、そこから一望する新宿御苑の雪景色が楽しみでした。開園は10時ですが、そんな早くから訪れる人もなく、誰も踏み込んでいない御苑の静かな銀世界は素晴らしい眺め、早速写真を撮りましたのでご覧ください。

 週末は、息子の家で夕食、息子家族と、息子の親友ご夫妻が一緒です。嬉しいことにこのご夫妻にはこの5月に新しい命が誕生します。そんな中での、楽しい愉しい和やかな一晩でした。息子の親友は、共に高校1年生のときからで、実に30年、わたくしには40年、50年来の友人がおりますが、息子にも30年来の友人がいる、わたくしが歳をとるのも当然です。

120125.jpg 木槌で周りの塩を割る

 夕食に持ち込んだのが、福井からお送りいただいた甘鯛、塩で周りを分厚く固めていて、一緒に送られてきた木槌でその塩を割って取り出します。孫たちは大喜び、みんなで順番に木槌で叩いて、雪のように真っ白な塩を割りました。福井の有名な、美味しい甘鯛、高級魚です。少し温めていただくのですが、とてもよいお味でした。食べながら孫が、これお茶漬けにするといいね、と。12歳の子がこんな生意気な、大人の味覚を持っているんです。残った骨と頭を持って帰り、一緒に入っていた昆布とともに出汁をとっておじやにしよう、などと考えていた矢先のことだったので、孫の言葉に少し驚きました。この子は、先日北海道からお送りいただいた牡蠣を、美味しい、美味しい、って食べています。娘家族にも、味のよく分かる孫がいますが。

 この甘鯛を前菜にして、メインはすき焼き、嫁さんは材料を切ったりの準備でわたくしが鍋奉行、いやー、みんなよく食べること食べること、ひと段落するまで何も食べれずでした。でもそれが鍋奉行、楽しいひとときです。孫たち、息子夫婦、息子の親友夫婦、と大勢で、それに誕生する新しい命、そんななかでのとてもいい週末でした。

 台湾の総統選挙は残念です。台湾からのレポートを昨日の本コラムに掲載しています。とても丁寧なレポートです、ぜひお読みください。先週、台湾企業に勤める若い友人が、日本事務所に転勤となり訪ねてきました。日本に留学していたときに何かと面倒をみた若者です。話をする中で、総統選挙の投票日前日の13日に開催された蔡英文さんの集会に突如現れた李登輝さんの話がありました。ここで、みなさんにもぜひお伝えしておきたいことです。集会の終盤、マフラーを巻いた李登輝さんがにこやかに手を振って登壇するや、会場は地響きが走るほどの熱狂が渦巻いたそうです。李登輝さんは力強い演説の後、蔡英文さんらとつないだ手を高々と上げました。そして一度置いたマイクを後方から取り出し、聴衆に向かってこう話しかけたのです。これからの台湾は君たちに任せたよ、と。大変重みのある発言、一生を台湾のために尽くしてこられた李登輝さん、もうすぐ90歳、おそらくこれが最後の選挙応援だと考えられているのでしょう。

 これは、その場にいた日本李登輝友の会の会員たちも聴いています。その時、会員たちは、今回の選挙は勝った、と感じたそうです。ふたを開けてみれば負けでしたが、でも、14日夜の蔡英文さんの敗戦の辞、そこには、一まわりも二まわりも成長した彼女がいて、応援していて本当によかった、と思わず涙が出そうになりました。そんなわたくしの思いと、日本語に翻訳した彼女の発言を、美齢塾のメルマガに掲載しています。時間をおいて、1週間後に本コラムにも掲載いたします。楽しみにしてください。

 人生は長い、選挙、政治、それだけではありません。日々の生活を楽しみながら、バランスよく、係わりのあるありとあらゆる人々のことを考えなら、これからも一歩一歩生きていく、そんな方針を貫き通すのがいまのわたくしにできること、そう考えています。

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