微妙な味の違いにこだわります (2012年04月23日) |
日本語教育に関する台湾の若い人たちとのTV討議は、わたくしが理事長を務めるJET日本語学校、台湾にある留学センター、そして日台交流サロンの3カ所を結んでのインターネット中継で実施されました。お互いの顔を見ながらの直接会話、少々緊張した様子でやや通り一遍の話ではありましたが、質疑応答などもあって、よかったです。こんなことがすぐ出来るなんて、世の中便利になりました。わたくしのような化石であっても、みんなに手伝ってもらって使いこなしています。こういう機器は前向きに使えさえすればとても有効な道具となりうるもの、そんなことを実感しました。
21日土曜日は長崎での講演、前日に長崎入りしてお魚をご馳走になりました。数年前にガーデンテラス長崎に宿泊、新しくて、長崎湾を一望できる素晴らしいホテルでしたが、今回はニュー長崎、典型的なシティホテルです。地方への出張の多いわたくしですが、常宿ですとこちらの都合を割と優先してくれて、チェックアウトを2時にしたい、などと言えば、いつでも結構です、と応えてくれます。このニュー長崎では、今日は忙しい日なので何が何でも12時にはチェックアウトを、と言われて12時に出ることとなり、講演は15時からなので、少し観光することにしました。
訪ねたのは女神橋と伊王島橋です。初めての長崎は大学院生の時、どうしても行きたくて、鹿児島大学での学会の後にえんやこらえんやこらして長崎に一人たどり着き、観光地を全部回りました。その後も行くたびにいろいろなところを観ましたが、今回の橋は初めてです。ホテルを12時に追い出されたおかげで新たな名所を見物できました。まさに「塞翁が馬」ということでしょうか。
女神橋の「女神」というのは地名だそうです。長崎港口の両岸に架かる橋で、世界最大級の客船クイーン・メリー2も通過できる高さがあります。大きな観光船が長崎港に寄港できるようになっているので、観光客の増加にもつながることでしょう。伊王島に架かる伊王島橋、ほとんどの橋は真っ直ぐですが、この橋は、島に近づくと海の上をカーブして進みます。橋の上を歩くこともできるそうです。
長崎と言えばカステラ、以前にもお話しましたが、カステラには大いなるこだわりがあって、買うのは何と言っても福砂屋の本店です。有名な思案橋の通りから一本入った旧丸山遊郭の跡地にある昔ながらの何とも言えない味わいのある木造建物の本店に行ってまいりました。お目当ては五三焼、いきなりでは数本しか買えないので2日前に電話で頼んでおきました。前回は10本ほど購入したので宅急便で送りましたが、今回は5本なので持って帰ることに、いやー、重いこと、食べ物って重いですよね。でも美味しいものを食べたい一心で運びました。それがこだわりと言うか、愛着と言うか。日台交流サロンから歩いて10分ほどのところに新宿伊勢丹があって、そこにも福砂屋があるのですが、長崎本店とは微妙に違う、その違いにこだわっているのです。わたくしの解釈では、カステラを焼く職人が違う、それに卵が違う、本店の卵は特別に契約した養鶏場なのでしょう。食べ物っていうのは生き物です、微妙な違いにわたくしはこだわるのです。