読みだしたら止まらない (2012年03月20日)

 

 JETの卒業式とか、関西との往復が何回かあって、このコラムを先週お休みしました。ご無沙汰しています。7日が神戸での講演、翌8日が大阪での講演でしたので、そのまま神戸に宿泊、ところが、8日朝大阪の主催者から、新幹線のダイヤが混乱に陥っている、との電話が。近江八幡あたりで誰か線路に入り込んだとのこと。新幹線の線路は塀で囲まれており、本人の意思で入り込んだのは間違いありません。正常な判断ができなかった、としか言えないのでしょうが、これで何万もの人が影響を受けたようです。

 大阪の主催者が大変心配されて、何回も電話がありましたが、幸い神戸から大阪への移動なので、いざとなれば新幹線に頼らずとも移動できるのでご心配なく、と申し上げました。午後からは復旧し、実害はありませんでしたが、これが東京からの移動でしたら間違いなく講演時間には間に合わなかったでしょう。こういことがあるといろいろ考えさせられます。

 大阪から東京に戻り、10日はまた兵庫県での講演でした。新幹線は、3分でも遅れると平謝りに謝るという、とても正確で便利な移動手段、本や雑誌を読んで過ごしています。18日がまた兵庫県、17日に神戸に入りして、かねてからお誘いいただいていた方に美味しい神戸牛の鉄板焼きをご馳走になりました。わたくしのためにとてもいいお肉を用意して頂いて。

 このときの新幹線では、久しぶりに小説を持ち込みました。ところが読み始めると止まらず、往復でも終わらずに、帰ってから、よせばいいのに寝る前にまた読み始めました。結局終りまで読んで、寝たのは夜中の3時でした。その日はテレビの収録があり、寝不足の、ただでさえしわしわの顔が一層化粧乗りの悪い冴えない顔での出演となってしまったのです。フジテレビの「新・皇室入門」という番組で、23日金曜日夜中(27時35分(24日土曜日午前3時35分))放映です。夜中に観る人もいないのではないかと思いますが、もしよろしければ録画してご覧ください。

 子どものころから小説をよく読んでいました。小学生の頃は、ご飯を食べるのも忘れて、呼ばれても返事もせずに親に怒られて本を取り上げられたりしたこともあります。中学、高校と勉強もせずに隠れて本を読んだりして、そういった時代の名残りがいまだに残っているのか、こんな歳になっても一旦読み始めると止まらない、そんな自分を我ながらおかしくおもいます。

 11日の政府主催の大震災一周年の追悼式典で、台湾が外交団として指名献花を受けなかったことに対して、「日本の無礼をお詫び申し上げます。台湾の方々には感謝しております」といったメールが数多く、毎日のように寄せられています。日本政府の台湾に対する冷遇ぶりは、まったく腹立たしいことです。でも愛読する産経新聞14日一面で大きく取り上げられ、また心ある人がたくさんいることもよくわかりました。これで納得した、という訳ではないのですが、今の気持は落ちついています。メールをいただいた方々、ありがとうございました。

 別のメールでは、コミュニケーションなるものがどれだけ難しいかを痛感しています。次のメールが届いたのです。

****** いただいたメール全文 ****
件名:国民皆保険
いつも、たかじんのそこまで言って委員会 で拝見しています。
金美齢さんのご意見には、ほとんどいつも賛成できるし、なるほどと思うのですが、この前の国民皆保険についての意見だけは同調できませんでした。
アメリカは、盲腸でなくなる人もいます。
所得に応じて違う医療がすでに実施されているといっても、程度問題があるでしょう。
貧乏人は、盲腸の手術もできずに、イタイイタイと言いながら死ぬような状況にはしたくありません。
現状のレベルの国民皆保険を守るほうが良いと思います。極論すれば、国民皆保険の崩壊は、1人の患者を救って、5人の患者を殺す、ことにつながると思います。
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 番組での、日本の医療に関するわたくしの発言に対するご意見なのですが、発言意図とはまるで逆のとらえ方をされて少々驚いています。国民皆保険の素晴らしさは昔から一貫して主張しています。日本には素晴らしいものがたくさんある、美しい自然、秩序を守ろうというたくさんの人々、そしてこの国民皆保険も、それらは日本の宝とも言えるのです。そんな国民皆保険が赤字をかかえ、将来維持できなくなる恐れがあります。これを解決するためのひとつが混合医療、と考えての発言でした。これを崩壊させる、などという意図は全く無いのです。維持したい維持したい、と言うだけで、そのための努力をしなければなにも解決しません。お金をたくさん出せる人もいれば、出せない人もいる、それは現実です。でも、出せない人でも通常の国民健康保険を十分に享受してしているわけですから。それがどうしてこのようなメールになるのでしょうか。お互いの思いが通じないもどかしさを感じてしまいます。

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