憧れの小豆島 (2012年04月04日) |
小豆島、二十四の瞳の島です。化石の年齢に属するわたくしにとっては憧れの島、おそらく台湾にいたころからその地名はインプットされていて、ずっと行きたいと思っていました。思うこと半世紀、やっと叶ったのです。3月31日に高松で1泊して、翌4月1日朝、ホテル前の埠頭から快速艇で小豆島へ、フェリーもあって、それだと1時間ぐらいだそうですが、快速艇だと30分ぐらい、あっという間に到着しました。
31日の高松行きは羽田からの夕方の便、この日東京は大荒れ、強風で欠航便もでて心配しましたが、幸い無事飛んで、20分ほどの遅れで高松到着です。小豆島は、高松選出の衆議院議員平井たくやさんの政経懇話会のような会合へのお招き、後援会長さんご夫妻が高松空港にお出迎えくださり、お知り合いだというお店にお誘いいただきました。空港から30分ほど、行けども行けども暗い道、拉致されているのでは、という錯覚にすら陥りそうな道のり、やがて広大な敷地にポツンポツンといくつかの建物があるお店に着きました。
チャペルなどもあって結婚式もできる、大きな規模の、自家栽培の有機無農薬野菜を使ったイタリアンレストランです。オーナーの好み、趣味で造られたとのこと。オーナーが理想とするイタリアのスローフード、スローライフを具現化したい、そんな思いがあるようです。結婚式に良さそう、気候のいい日中、広々としたところでガーデンパーティをやる、残念ながらそんな機会はわたくしにはありませんが、若ければそんな結婚式いいだろうな、と考えたり。フルコースをいただきましたが、丁寧に作られたお料理で、胃袋さえ許してくれればもうちょっと食べたい、と思うような美味しいイタリアンでした。イカスミをすり込んだパスタがとても美味しかったです。お土産に烏骨鶏の卵をいただきました。
翌日の小豆島行きは、朝8時に起こされて、シャワーを浴びて身支度をして、8時50分にはホテルを出発、朝ゆっくりしたいわたくしにはあわただしく、朝食は高速艇でとりました。簡単なサンドイッチと自動販売機のミルクティで、オレンジはありません。早く出かけて、講演前に小豆島をご案内いただいたのです。素晴らしかったのは農村歌舞伎、いまでも舞台があり、伝統芸能が継承されています。木造建屋の舞台、その前には段々になった野外観客席があります。継承していくのはボランティアのみなさん。地方での歌舞伎が、最近の原田芳雄さん主演映画で話題となっていますが、このようなボランティア活動の方が日本各地に結構いらっしゃるのです。シシリー島で見たのは円形の野外劇場でしたが、ここでは屋根のある舞台小屋と、その前にある長方形の野外観客席、舞台にはちゃんと回り舞台、それに役者がせり上がるスッポンまであります。そんな農村歌舞伎が地元のみなさんの努力で維持、継承されているのを目の当たりにできて、とてもよかったです。
その裏手には千枚田と言われる段々になった棚田がありました。田んぼは千もなく、実は733田です、と教えていただきましたが、たくさんの小さな小さな田んぼで、みなさんが汗水流してお米を作っています。名水100選に入る水と、山の斜面での激しい寒暖の差が美味しいお米を作るそうで、大阪からも買いに来るとのことでした。食べさせていただかないと何とも申し上げられないのですが。
天皇皇后両陛下がお越しになったことがあり、農村歌舞伎の保存会の会長さんが、両陛下をご案内したときの様子をとても嬉しそうに話してくださいました。ご説明した内容や、お二人は千枚田をご覧になり、あぜ道を上がって行かれた、といった状況を嬉々としてお話されていたのが忘れられません。両陛下がお帰りなるときに、思わず誰かが立ち上がり「天皇陛下万歳」と発し、それを機に全員が立ち上がって万歳を唱和したとのこと、目に浮かぶような涼しげな光景です。千枚田の近くには、きれいな水の流れを利用した蛍の放飼場があり、シーズンには蛍が楽しめるそうです。これもボランティアでの運営、そんな方々からのお話から伺えるのは強い郷土愛、みなさんがこの島をとても愛していることがしっかり伝わってきます。
小豆島はオリーブの島、でも島産のオリーブオイルはすぐに売り切れてしまうそうです。特にエキストラ・バージン・オイルはまず手に入らない、それを1本そっといただいてまいりました。それも、50本限定品のNo.2との刻印のあるエキストラ・バージン・オイルです。なまこの卵巣を干しあげた珍味「干くちこ」や有名な小豆島そうめん、これは自家製、もお土産にいただきました。昼食はパスタを、講演後の夕食では特別料理のヒラメのお茶漬けをいただきました。数々のお土産と、前日の晩から当日の朝、昼、晩と4食の養いをいただいた幸せな小豆島行きでした。