トップ二人の金銭問題 (2010年01月13日) |
台湾では9日の立法委員補欠選挙で野党・民進党が全勝し3議席を確保しました。与党・国民党の危険性に人々が目覚めだしたということなのでしょう。政権が代わってみないと分からないというのは問題ですが、それでも気が付き始めたのはいいことです。民進党が与党だった8年間、何もしなかったとメディアがバッシングし、2008年の総統選挙では民進党にお灸をすえるとして国民党が返り咲きました。しかし国民党が選挙前に言っていたことは全て票をとるための、ある意味美辞麗句にすぎず、総統となった馬英九の無能ぶりが明確になり、中国に急接近して台湾を売り渡してしまうのではないかという危険性をみんなが肌で感じるようになり、流れが変わった、今回の補選結果はそんなことを示唆しているようです。日本も同様でしょう。
自民党は情けない、確かに情けないし、長い年月の中での腐敗や退廃の部分もあった、だからお灸をすえる、そういった流れの中での民主党政権の誕生です。しかし、4カ月が経って、民主党に1票入れたのは間違いではなかったかと反省し始めている人がかなりいるのではないでしょうか。少なくとも支持率は確実に下がっています。ましてや、小沢一郎幹事長、鳩山由紀夫首相二人の金銭問題、これはとても根深いものでしょう。特に小沢幹事長の場合は、非常に複雑なからくりのなかで、法の隙間をぬってなんとか正当化していく、そんな動き、常識では考えられない4億円もの現金の授受も明らかになっています。鳩山兄弟への母親からの毎月1,500万円もそうですが、現金での授受、これは痕跡を残さないための手立てとしか考えようがありません。つまり知られたくない金なのです。
普通は、これだけの大金を持ち歩くなどということはまずなく、安全な銀行振込などを使います。それによって記録が残り、お金の出入りが分かりやすくなるのです。それがむしろ困るのでしょう。闇から闇へと隠したい、闇献金、脱税と見るのがごく自然なのではないでしょうか。今週金曜日15日放映予定の日本テレビ「太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中」でそんなことを申しあげましたが、どう編集されるかは分かりません。
政権交代に多くの人が期待し、清潔、クリーンで人にやさしい政治の民主党を選んだ、しかしトップ二人が、どっちがNo.1かは言うまでもありませんが、こんな状況です。しかもいまや小沢幹事長の意思、意図で全てが動いている、これは非常に危険なことでもあるのです。次号の「正論」(産経新聞社)は小沢一郎幹事長の特集、わたしも意見を述べています。ぜひお読みください。
次号の「WiLL」(ワック)では渡部昇一先生との対談があります。お正月早々の、元祖正論、正論大明神である渡部先生との対談もお読みいただけたらと思います。このような対談も始り、テレビの収録も始り、講演もいよいよ始まります。また忙しい日々となりますが、相変わらず元気に、愉快に、仕事を楽しみながら、あっちに、こっちに動き回る、そんな年になることを念じながら1日いちにちを過ごしていきたいと考えています。