IT時代も一犬虚を吠ゆれば・・・ (2001年08月20日) |
「一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う」というのは古い諺だが、一人がいいかげんなことを言い出すと、大勢がそれを真に受けて伝え広める状況はこのITT時代も変わらない。
「日本人の偏狭なナショナリズム」なる文句が目に付くようになったのは、日の丸・君が代論争のころからだったと思うが、反日派がそんな理屈を言い立てる
のを、いい気なもんだと私は笑っていた。彼らが崇める中国では、国旗を焼いたり引きずり降したりしたら、2、3年では出てこられなくなる。
最近では教科書や靖国の問題をめぐって同じ文句が繁く飛びかっている。韓国人や中国人が言うのではない。日本人がそう言っているのだ。例えば何用 あってか知らぬが先日北京を訪れた太田昭宏・公明党国対委員長は中国要人に対して、「日本国内の偏狭なナショナリズムの傾向を心配している」と述べたとい う。
「偏狭なナショナリズム」とはどこの国の話なのか、胸に手を当てて考えて欲しいものだ。何かある度に民衆が外国の国旗や元首の人形を燃やす光景 は、隣国などでは日常茶飯事だが、日本では見たことがない。日本車をハンマーでメッタ打するデトロイトの労働者の映像は見たことがあるが、浜松の業者が中 国産のうなぎを抛棄する話など聞いたことがない。
小泉首相の靖国参拝前日の朝日新聞は、『パール・ハーバーを上映する映画館は、若者たちで満員だった』と書いている。かつて「戦場にかける橋」の日本上映も大ヒットした。ところで中国政府は、「チベットの7年間」の上映を許したであろうか?
このほど発表された日本青少年研究所の意識調査では、日・韓・米・仏4カ国の中高生の中で、「国のために何か貢献したい」と思う割合は日本が最低で、逆に「全く貢献したいと思わない」割合は日本が最高であった。
「偏狭」の心配より、この自己中心的で世界一可愛気の無い若者たちに国を愛することを教える方が先決であろう。