来週で仕事納め (2009年12月08日)

 

 2日水曜日は熊本、建築協会での講演です。仕事がどんどん減り大変な時期にある建築業界、働くみんなが少しでも元気になる話を聴きたい、とわたしにお声がかかりました。なにを申し上げれば元気になっていただけるのか、とても難しい。公共事業すなわち悪、一切やめる、といったイメージや意見がはびこっていて、テレビ番組「太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中」でもそんな議論がされています。確かに、いままで無駄もあったろうし、見直しも必要でしょうが、あまりにも短絡的です。

 日本の建築や土木の技術水準の高さは公共投資によって支えられてきた一面があり、その水準を維持・向上するための努力が必要で、そのための投資としても、公共事業を継続すべきだと思うのです。これらの技術は、国際社会でも十分な競争力を持っているでしょうから、日本は物を売るだけではなく、こういった技術も売るといった方向も模索してほしい、そんなことも申し上げました。日本は技術を大切にして、維持・向上させていかなくてはいけません。

 3日木曜日は京都、(財)日本電信電話ユーザ協会での講演、NTTのいろんなものを使っているユーザの方々の集まりでした。電信電話といったことでは全くの素人で、携帯も持たないわたしがこういう場でお話をさせていただくというのも不思議な思いがいたします。わたくしの生活実感として、日本で暮らして50年になりますが、この分野での進歩にはすさまじいものがある、そんなお話からさせていただきました。

 日本にやってきた1959年、昭和34年、台湾への国際電話料金は1通話3分間で3,000円弱でした。当時、OLの月給が8,000円の時代です、台湾への電話などとてもできる相談ではありません。それがいまはどうでしょうか、これほど料金が下がった業界も少ないでしょう。いまでは、台湾からの留学生は毎日のように国際電話をかけています。国内電話にしても、都内であれば当時から1通話10円、50年間変わっていない。まあ、当時の1通話には今の3分間という制限はなかったのですが、用事を済ますのに3分あれば十分です。料金だけでなく、機能もどんどん良くなり、非常に明瞭に聞こえ、アメリカからの電話でもまるでお隣さんからの電話のようです。「すごいよね」って感心したら、電子工学を専門とするわたしの連れ合いが、普段威張るようなことはないのですが、大いに威張りに威張って、「おれたちが一所懸命研究してきた結果だ」と自慢していました。建築土木だけでなく、ここにも日本の技術の素晴らしさがあるのです。

 4日金曜日は読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」の収録、日曜日放映でしたのでご覧いただいた方も多いのではないかと思います。5日土曜日は大阪・寝屋川で人権週間での講演、「人間として生きる」というタイトルでした。6日日曜日は「若者が未来を変える会」での講演、10周年記念ということなのでお祝いとしてお引き受けしました。車でお迎えいただき到着した先が、なんと鳩山会館、いま話題の鳩山家、その旧邸宅です。引き受けた後に決まったようです。

 離れの日本座敷でみなさん畳に座り、わたしは高さ1尺程度、30cmぐらいの小さな椅子に腰かけてお話させていただきました。せいぜい100名という広さのため、お断りせざるを得ない方がかなり多かったとのことです。「若者が未来を変える会」の会長は、かなり前に募集した台湾ツアーに参加した若者で、その時以来の付き合い、10周年へのエールを送りましょうと出かけたのですが、まさかの鳩山会館です。しかも、鳩山邦夫さんのご長男が参議院選挙にでるとかで後のレセプションでいきなり話をするなど、全く予想外のことでした。しかし、若者にはしっかりと日本を担ってほしいという願いを込めて話をいたしました。

 7日月曜日は日本テレビ「太田光の私が総理大臣になったら...秘書田中」の収録、これは11日金曜日に放映されると思いますのでぜひご覧ください。8日火曜日が山形・東根での市民大学で、それが終わると16日水曜日の新潟法人会での講演で今年の仕事納めとなります。ボランティアでの講演は残っていて、17日木曜日は京都・同志社大学、23日水曜日は李登輝友の会です。一般公開の講演ですのでみなさまどうかお出かけください。

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