疑問が残る今回の都議選 (2009年07月15日)

 

 今回の都議選、納税者のわたくしとしては納得いきません。都のために、しっかり働く人、働ける人を選出し、今までの実績をふまえた評価をする、それが必要なはずです。若ければいい、民主党ならいい、にわかに立候補した人でも民主党であれば1票を入れる、そんななんとも単純な投票行為をみているととても悲しくなります。都議選当日の日曜日、仙台での講演から帰宅後、深夜まで開票結果をみていました。北区から立候補した、わがJET日本語学校の理事でもある高木けいさんの結果がとても気になっていたのです。幸い当選しましたが、結果をみていて、全体的には疑問だらけの都議選でした。

 都議会でのねじれによってマイナス効果だけがでてくる、そんな懸念もあります。オリンピックにしても、招致を決め、名乗りを上げ、国際社会に約束しているのです。いまは、東京都として何ができるのか、都民として何ができるのかを真剣に考えなくてはいけない段階であり、やる、やらない、の議論の段階でないとわたしは考えています。それなりの経済効果や活性化効果があるわけで、お金がかかるから止めればいい、ということではないし、こういった逆戻り論議は大きなマイナス効果です。こういうふうに都議会がねじれてしまったら、オリンピック招致以外の諸問題でもきっとマイナス効果ばかりが出てくることでしょう。

 都民のみなさんはそこまで考えて1票を入れたのでしょうか。メディアの報道に流され、自民党じゃだめだからなにがなんでも民主党、といった単純で軽佻浮薄な動機で投票したひとがかなりいるのではないでしょうか。とても残念です。

 都議選前日の土曜日は清水市、今は静岡市と合併して清水区、日本でのサッカー発祥の地といわれているようですが、そこでの講演がありました。「清水かがやき塾」という、市民大学のようなボランティア活動で、講座は年8回、会費は年5,000円という、この種のものとしてはおそらく最も安い講座ではないでしょうか。全てがボランティアで運営されているからこそできることで、とても見事な活動だと思います。会員はなんと1,500人だそうです。塾のキャッチフレーズは「生涯青春」、いいですね。わたしのキャッチフレーズは「生涯現役」、これからは「生涯青春」も追加しようか、といった思いをいだかせます。後期高齢者であっても気持はいつまでも青春ですし、むかし、「わたしは3回青春を繰り返した」なんて言ってましたから、また「青春」もいいかもしれません。

 当日、大勢の方にお越しいただき、とても楽しい講演会となりました。みなさん「青春真只中」、わたしも含めてですが、非常に盛り上がりました。講演が終わったとき、舞台の下から若い女性に花束をいただきました。どうしてもわたしに花束を渡したいとお持ちいただいたもので、まさに本当の「青春真只中」の若い方からのプレゼントでした。主催者の方からも花束をいただき、2つの花束を大切に抱えて東京経由で仙台へと向かいました。

 仙台は翌日曜日の、青年会議所宮城ブロック総会での講演のための前日入りです。ホテルメトロポリタン仙台にチェックインした後に、総会実行委員会の方々に夕食をご馳走になりました。この夕食が素晴らしく、仙台牛のタンをわざわざご用意いただき、委員会メンバーの一人、若大将、そのお父様からの差し入れである刺身の盛り合わせ、それに、お二人が経営する牛鍋屋さんなので牛鍋としゃぶしゃぶ、と豪華です。

 刺身の皿にはウニが殻ごとでーんとあって、特権を行使して、これを一つまるごとわたし一人でいただきました。しゃぶしゃぶや牛鍋のお肉も見事でした。見事なサシ(霜降り)の入った最高級品で、年寄りのわたしにはあまり食べれなかったのが残念です。若大将は人形町今半で修業したとのこと、浅草今半はわたしの牛肉購入先、同じ今半同志での牛肉談義に盛り上がったりして、とても豊かな夕食となりました。実行委員会の方々の心のこもった接待には感謝、感謝です。

 日曜日は、仙台のホテルから車で1時間ほどの白石蔵王での講演でしたが、そんなに離れたところでもたくさんの方にお集まりいただきました。帰りは東北新幹線の白石蔵王駅からで、実行委員会全員によるホームでのお見送りです。新幹線が動き始めたきに原田尚樹委員長が手を振りながら走りだし、久しぶりになにかしんみりとしたお別れ気分になりました。

 映画「旅情」(1955年・イギリス)で、ベニスを列車で発とうとしているオールドミス、キャサリン・ヘップバーン演じるジェーンのところに、ベニスで出会った素敵なイタリア人(ロッサノ・ブラッツィ)が花をもって見送りにホームにやってくるシーンを思い出しました。すでに動きだした列車を追って懸命に走るロッサノ・ブラッツィ、でもとどかず、花を渡すことはできない、そんな場面です。後期高齢者のばあさんと、若い委員長のお別れ、これはこれでまたおつなものでした。

 火曜日は富山信用金庫が主催する若手経営者会「とみしん緑友会」での講演です。緑というのはわたしのシンボルカラー、それだけでとても親近感が湧きます。講演で、若手経営者という割には白髪が目立ちます、と話すとみなさん大笑い、なごやかな講演となりました。会場は超満員で、これも読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」のおかげです。この番組の視聴率の最も高いのが富山だそうで、番組出演者の多くが富山での講演に招かれているようです。今年は、わたしもそれにあやかって、富山にはちょくちょく招かれています。

 富山には前日入りしたのですが、ぎりぎりまで用事に追われ、最終便での富山入りとなりました。このため美味しい富山の魚に一切ありつけなかったのが唯一の心残りでした。

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