李登輝元総統が来日 (2009年09月09日)

 

 先週のコラム「われら衆愚の選択」ではたくさんの方々からいろいろな反響がありました。ほとんどが、今回の選挙結果に愕然とし、気落ちし、「衆愚の選択」に同感、というものでした。このまま落ち込んでいてはいけない、という意見も多く、わたくし自身もこのまま負けっぱなしではよろしくない、何かできることは、と考えています。行動を起こすときにはみなさんに呼びかけることも多々あるかもしれません。

 李登輝元総統が来日されています。ご夫妻を囲んでの夕食の宴が4日金曜日ホテルオークラ東京であり、かねてからお二人と親交のある人々が集まりました。ご招待いただいたのですが、山形のかみのやま温泉での講演があり出席できませんでした。それでも、ひと目だけでもお会いしてご挨拶したいと、山形からとんぼ返り、温泉にも入らず、しかも昭和天皇がお使いになった由緒あるお部屋が控室でしたのに在室したのは10分か20分程度で、講演が終わるとすぐ新幹線に飛び乗りました。ホテルオークラの会場に到着したのが宴の終わる3分前でした。

 わたしの席も用意されていて、席に着くと隣の方が、「先ほど李登輝さんがわざわざテーブルまで来られて『金さんまだなの』と訊かれていましたよ」と。大急ぎで、李登輝ご夫妻のテーブルに行ってご挨拶いたしました。3分しかありませんでしたが、駆けつけた甲斐がありました。

 翌日、李登輝さんは日比谷公会堂で講演、わたしは富山での講演で、こんどは富山からのとんぼ返りです。李登輝さん講演の夜のレセプションがホテルオークラであり、羽田からタクシーでオークラに駆けつけ玄関を入ったとき、「いま終わりました」と、台湾人医師のご夫妻に告げられました。それでもだれか残っているだろうと会場まで行くと、主催した青年会議所のOBの方々がいて、李登輝さんは記者会見中とのこと、会見が終わるのを待ってお見送りしました。李登輝さん、わたしの顔をみるなり、すっと近寄り、日比谷公会堂での講演が2,000人もの大盛況でとても嬉しかったご様子で、「雑誌『正論』に講演全文が載ることになりました」と教えてくださいました。

 李登輝さんは、その後、高知、熊本で、熊本からはご招待いただいているのですが、スケジュールがとれません。東京で、ほんの数分ですがご挨拶できて、よかったと思っています。

090909a.jpg 豪華な舟盛り

 写真の豪華な舟盛りをご覧ください。6日日曜日夜、淡路島洲本のホテルニューアワジで、たいへん美味しい地元の海産をご馳走になりました。みなさんにもちょっとおすそ分けいたします、写真ですが。ここで俳句を募集していると聞き、生まれて初めていくつかの句をひねりました。

国生(くにう)みの橋を渡りて棚田の湯

 「国生み」、つまり淡路島洲本には伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)があり、国生みの神話があります。「橋」は大鳴門橋です。この橋を通って、今回、徳島から淡路島に渡りましたが、近代技術の粋を集めた橋、工事の方々の献身ぶりや見事さがうかがえる橋、そんな印象を受けました。四国には橋が3つもある、無駄だ、という人もいますが、長細い四国です、徳島に必要だったら、高松にもいるだろうし、しまなみ海道も、という気持ちは実によく分かります。現地に行ってみると本当に便利だ、と実感できるのです。

090909b.jpg 棚田の湯

 橋を渡ったのは夕焼けの美しいとき、後方の夕日をふり返りふり返りしながら眺め、みごとな夕映えの土地と海を眺めていました。やがて淡路島、そして洲本、豊かな温泉の町です。宿泊したホテルニューアワジにあるいくつかの湯のうちの「棚田の湯」、棚田のように湯槽が段々になっていて、一番低いところが海につながっているような気分になる、そんな湯でゆったりとした時間を過ごしました。そして、生まれて初めての俳句となります。

 もう一つの俳句には、海の幸と淡路牛のおいしさを盛り込みました。この淡路牛、かなり有名で、その子牛が松阪や神戸に行っているとのこと、とてもおいしい牛肉でした。美しい日本、神話や伝説、高度な技術、豊かな温泉、海の幸、そんな素晴らしさに触れ、体験して、リフレッシュできたと同時に、また頑張ろうという気力が湧いた旅となりました。

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