北一女同窓会 (2009年11月03日)

 

 10月31日土曜日は大阪での講演でした。そこで、わたしの母校である台北第一女子高校に奨学金を提供している「一隅を照らす会」、その中心メンバーとなっているロータリアンの方々とお会いしお茶をご一緒しました。小さな集まりですが、とても熱心に会費を集め奨学金を提供する活動を精力的に進めておられます。

 翌11月1日日曜日は高校同窓会メンバーとの京都での昼食会でした。大阪まで来るんだったら京都に寄って欲しい、と後輩から強く誘われたのです。台北第一女子高校は通称「北一女」と言われ台湾では知らないひとはないぐらいの名門校、女子高ではトップ、男子校を入れても1,2を争う進学校です。わたしの時代はそれほどでもありませんでしたが、優秀な後輩がたくさんいるおかげで北一女出身は尊敬のまなざしで見られています。

 優秀な人は医者に、という価値観が台湾にあって、卒業生には医者が多く、誘ってくれた後輩も医者、京都で歯科医として活躍しています。なかなかユニークな、典型的な台湾女性の明るさをもった方です。前夜、京都で一緒に食事をして、翌朝はその方の高2になる息子さんも入っての下鴨神社散策、そして昼食会、台湾同郷の人々が20人ほど集い、とても楽しい会食となりました。

 午前中の下鴨神社散策は、森の中を17歳の若者と歩きながら、彼が積極的に話す考えや悩みを聴き、質問に答えるという、真面目なデートとなりました。進取の精神に富んだ、いまの日本ではなかなかお目にかかれない青年だと思います。いろいろ悩みもあるのですが、それは決して後ろ向きのものではありません。現在受験勉強中で、志望は東大理3(医学部)です、と公言することで自分自身に発破をかけている、自信に満ちた青年、一番興味があるのは人間、だから脳神経とかを勉強したい、人間の脳ぐらい面白いものはない、などを聴いているうちに実に晴々とした、愉快な気分となりました。

 下鴨神社は世界遺産に登録されているとのこと、何回も京都に行きながらも初めての参拝です。ちょうど特別拝観があり、大枚800円、これは後輩が払いましたが、普段入れないところでの拝観をさせていただきました。神社でいつも思うのは、四方八方に開かれている解放された神聖な場、ということです。壁で囲まれた、ある意味では閉鎖的な空間である西洋の教会とは全く異なった印象を受けます。このことが、外国の文化を積極的に取り入れる開放的な思想を表し、それがひいては日本文化を豊かにしている根本なのだろう、と考えています。

 2日月曜日は夜のテレビ収録までを事務所で雑務処理、少しのんびりです。前日の、青年との、そして同郷の人々との会話で声がかすれています。熱々のお湯にカリンエキスを溶かして飲むことにしました。大切な喉のために。

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