仕事で全国を移動していて、紅葉をちらほらと見かけるようになりました。いよいよわたしの大好きな秋、いろいろな紅葉を大いに楽しみたいと思っています。

　先週は、初めて泊ったホテルで面白い発見がいくつかありました。最初は今井浜東急リゾート、タクシーで到着するとドアボーイがホテルの中から窺っていてすぐには出てこない。意外な対応に少しびっくり、ホテルでタクシーが停まればそれはお客だと考えて当然だと思うのですが、なんとも解せない行動です。チェックインでも、情報が伝わっていない様子で、気が抜ける思いでした。

　でも、翌日の朝食で素敵なお嬢さんに出会いました。レストランのウエイトレスで、背が高く、真っ黒に日焼けして、きりっとした顔つきのいかにもサーフィンを楽しんでいるといった様子、訊いてみるとやはりサーフィンが大好きとのこと。今井浜でサーフィンを楽しむためにホテルで非常勤の契約社員として働いているそうです。日本経済が悪くなっているとはいえ、そういう生き方ができている状況を見るとほっとします。自分の好きな趣味を追いかけ、働きながら楽しんでいる、魅力的な女性、そろそろ子供が欲しい、と言うので、あなたに似たかわいい子供をぜひ、と申し上げました。

　初めて泊った次のホテルはホテルクラビーサッポロ、札幌のサッポロビール工場跡地に建てられた複合商業施設の一角にあります。中くらいの規模の、気配りの素晴らしいホテルでした。チェックインし、部屋に案内していただいたとき、ふともらした「じゃあイタリアンにでも行こうかなぁ」という言葉がすぐにレストランに伝わり、行くと「明日のセミナーの講師の方ですね。お待ちしておりました」と迎えていただきました。ちょっとした心遣い、気遣いでお客の気分は大きく変わるものです。

　このレストランで、こんどは素敵な青年に出会いました。ウエイターとして働いていて、「あなた札幌？」と訊くと「違います」、「どこから来たの？」「千葉です」、「なんで札幌に来たの？」で返ってきた答えがなんと、日本ハムのフアンなので、ということでした。応援するために札幌に住み、働く、先のサーフィンのお嬢さんともどもこういうライフスタイルが保てる状況はいいことです。お嬢さんの方はいずれは結婚して落ち着くといった感じでしたが、青年の場合はもともとホテルマン志望で、好きな野球チームの応援をしながら、自分のキャリアも大切にして着々と積み上げている様子です。気遣いのしっかりできる、サービス精神のある青年で、きっといいホテルマンとなるでしょう。ちなみにホテルクラビーサッポロ、ここはお勧めです。

　いよいよ味覚の秋です。先日、天理で講演したとき昆布の佃煮の詰め合わせをいただきました。吉川屋という創業８７年目の伝統あるお店で、内陸の天理になぜ昆布の老舗が、と思いつつ開けてみるととても立派な詰合せです。日本の食文化の奥の深さをあらためて感じています。

　１６日は信州上田で信州ハム主催の、協力企業の方々をお招きしての感謝の集いがあり、そこでの講演です。食いしん坊のわたしとしてはハムと聞いただけで目が爛々と輝きます。無添加の本物の味のハムやソーセージ全てを試食してまいりました。品のいい美味しさで満足です。さらにはお土産に桐の箱に入った特選ハムまでいただき、ニコニコ顔での帰路となりました。こういことがあると移動の大変さはすべてすっ飛んでしまいます。

　１８日は広島県の安浦町での講演です。牡蠣の美味しいところだそうで、シーズンになったら送っていただけるという。不在が多いので「わたしがいるときに送ってください」とか「どちらかいうとわたしは小粒が好きです」などと勝手なことを言いながらの再三の牡蠣打合せの結果、１２月の一番おいしい時期に送付、という嬉しいお約束をいただきました。

　そんなところにこんどは、隣町の公民館で働く青年が蜂蜜を持って現れ、「喉を使うでしょうから」と差し入れてくださいました。お知り合いの方の、本物の蜂蜜ということでした。以前はお母様も蜂蜜を扱っていたそうです。わたしがクロワッサンが好きだ、というのを読んでいたのでクロワッサンとも考えたそうですが、「この時間だったらやっぱり蜂蜜よね」とわたし、とても嬉しい差し入れでした。

　１９日はカナダの松茸です。たくさん届いた松茸をすき焼きの牛肉をダシにしてふんだんにご馳走になりました。カナダ産は少し白っぽいのですが、味はよし、香りも十分です。シーズン真っ盛りの松茸を堪能しました。相変わらずの食いしん坊ぶりですが、秋の風情、秋の味覚、みなさんも大いに楽しんでください。今週はまた広島・呉での講演、それに大阪での「たかじんのそこまで言って委員会」の収録、これはおそらく２５日日曜日の放送だと思いますが、などがあり忙しい日々が続きます。味覚、仕事、ともに満載の秋です。