羨ましい同窓生グループ (2009年10月07日)

 

 3日土曜日は宮崎県小林市での講演でした。主催は小林商工会議所、その会頭さんがチョウザメの飼育をしていて、日本製キャビアの生産を事業化しています。その記事をかなり前に読んだ記憶がありますが、やっとのことで商品化できたそのキャビアは高級なグレーだそうです。国際線のファーストクラスで出されていたのがやはりグレーの高級品でしたが、最近は黒っぽい、小粒の、なにかインチキっぽいキャビアに替わっています。グレーと聞いて思わず「台湾のカラスミと交換しませんか」と申し上げてしまいました。

 講演ではとても嬉しいことがありました。遠くから来ていただいた方がかなりおられたのです。鹿児島や宮崎市、延岡などから、しかも若い方々が。最前列に陣取って熱心に聴いていただき、終わると出口で待っていて、お土産までいただきました。夏ミカンのゼリーや、宮崎特産の地鶏の炭火焼とかを。いままでの講演では、どちらかいうと年配の方が多かったのですが、このように若い人たちが増えてくるのはとても嬉しいことです。

 講演後は鹿児島空港から伊丹に飛び、天理からの若い方々に迎えられ、大阪で食事をご一緒してから奈良ホテルに入りました。奈良での定宿で、今年創業100年の由緒あるホテル、木造の本館には泊まれず新館でしたが、窓を開けると目の前に緑が広がり、なかなかの風情です。

 この日は旧暦の8月15日、中秋の名月でしたが、鹿児島空港に向かう車の中から月を眺めた程度で、大阪で食事をするころにはすっかり忘れています。翌日の奈良ホテルでの朝食のときに、名月を愛でるために大阪から来たというグループに出会い、その雅さに感心しました。60代と思われる男性3人、女性2人の、みなさん品のよい方々、訊くと、なんとか教育大学付属小学校の同窓生とのこと、月を観に奈良まで来るなんて、なんて素敵なんだろうと思いました。わたしが小学校の同窓生と集まったときは、創立90周年のときでしたが、母校の講堂での語らいとなり雅だったとはとても言えません。少し羨ましい気持です。

 西明石に移動したときです、駅の新幹線出口で待っていたタクシーにはびっくりしました。「ホテルセトレまで」と言った途端「そんなの無い!」と、「だれかに訊いてみてください」にも即座に「だれも知らない!」と。まあすごい運転手がいたものだ、と思いつつその先にある中型車乗り場で訊くとやはり知らないと言う。そこでホテルのパンフレットを見ていただきやっと話が通じました。

 それにしても最初のタクシーの無礼さ、不勉強さ、プロ意識のなさ、サービス精神あふれる日本にあってなんて無愛想な、こんな存在感のないホテルもホテルだ、これでお客さんを呼べるのか、地域振興ができるのか、観光事業が成り立つのか、どうにかしてほしい、などと考えながら怒りが収まりません。そんな様子に、中型車の運転手さんが一生懸命ケアーしようといろいろと案内してくれました。この運転手さんが一番大変だったかもしれません。ホテルは西明石海峡大橋のたもと、舞子というところにありました。おそらく車で来るお客さんが多いのでしょう。この日は十六夜、ホテルの前庭でしばし月を眺めてからの就寝となりました。

 台風18号が近づいています。今週の過密な講演スケジュールが心配です。どうなるのか。「嵐を呼ぶ女」ですが、講演に来られる方々を裏切らないよう危機管理をしっかりしなくてはなりません。

 中川昭一さんがお亡くなりになりました。大きなショックと悲しみ、それはここで簡単に述べることはできません。わたくしにとってはとても重いことです。どこかにしっかり書き留めたいと考えています。ご冥福を祈っております。

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