食いしん坊の鋭い感 (2009年07月22日)

 

 18日土曜日は北九州小倉での早稲田大学福岡県同窓会があり、会合では白井総長が30分、続いてわたくしが60分のスピーチをし、その後懇親会となりました。懇親会の最後には応援部が壇上に上がり、応援歌「紺碧の空」、そして校歌「都の西北」をみんなで大合唱、いい気分です。早稲田の卒業生としては、「都の西北」を歌う瞬間に連帯感がぐっと強まる、そんな気がします。懇親会ではみなさんとの懇談に忙しく食事ができない、そこで地元の方のご厚意で、懇親会後に「黒田節」というお店に案内していただきました。お魚のおいしい、地元の方推薦のお店です。そこで思いがけないことを知りました。

 食事が終わって店をでようとしたとき、店主が「数年前、まだここを改装する前にお一人でおいでになり、カウンターに座ってお食事なさったことを覚えておりますでしょうか?」と。「ヒェーーー」びっくり、確かに数年前このあたりで食事をしました。有名な小倉のアーケード街を一人で、おいしそうなお店を探して、あっちへ行ったり、こっちへ行ったりしながら、どこにしようか迷いつつ選んだお店、そのときはオコゼを半分刺身に、残りを唐揚にしていただいた記憶がありますが、それが今回の地元の方が勧めるおいしいお店、やっぱり食いしん坊の感は鋭いものがあります。

 早稲田の大学院生だったころ、ゼミ仲間と学会で地方へ出かけたとき、食事の場所を探すのはわたしの役割でした。主任教授が「そういうことは金君に任せる」と、そして曰く「ものの味がわからないやつに文学など分かるはずがない。おいしい店を探してくるのは金君だ」と。確かにあまり間違いはありませんでした。そしてその選択眼の正しさは、今回のことでも実証されたのです。地元の方々のご厚意で北九州小倉のおいしい魚をご馳走になり、豊かで、愉快な一晩となりました。

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