テレビの力 (2009年12月02日)

 

 今週は少しゆっくりです。25日水曜日は東京・丸の内にある糖業協会、砂糖関連の会社が会員となっている社団法人、での講演です。台湾での製糖などに関連した会員会社が多く、参加者のほとんどが台湾との縁の深い方々で、とても和やかな会合でした。台湾出身ということもあり、3年に1度ぐらいここでお話をさせていただいております。糖業会館という、丸の内のど真ん中にある立派なビルで、昭和14年に建てられた古いビルを建て替えたときに、昔ながらのいいものを大切にするというコンセプトのもと、その内装をできるだけ引き継いだそうです。講演は、一般にも公開していたようですが、糖業協会にアクセスする人が少ないのか、一般の方はさほど多くはおられませんでした。

 28日土曜日は富山の黒部市、黒部と聞くとすぐ黒部ダムを発想するのですが、黒部市は魚津よりも北にある海沿いの町で、黒部ダムは長野県に近い山の中、かなり離れています。この黒部市、湧水が豊富で、講演前に見所を案内していただきました。湧水を利用した共同洗い場が町中にあり、まず飲み水、次に野菜洗い、最後に洗濯と3段階に分けて湧水が利用できるようになっています。この湧水と、造り酒屋の湧水とを飲み比べては、と勧められ試してみました。それほど繊細な味覚をもっているわけではないのですが、洗い場のはごく普通の水、造り酒屋のは少し違うかな、という感じがしたのでそのまま申し上げました。本当はどうなのでしょうか。

 ファスナーで知られるYKKも見学させていただきました。東京大空襲で工場を焼失しこの地に移転したとのこと、工場の広大な敷地に森のようなYKKセンターパークがあります。そこには記念館や展示館などもあり、最新の器具を使ってのファスナーの紹介など、とても興味深い内容となっています。ブラジルにコーヒー農園を持ち、そこからの直送豆でのコーヒーが楽しめるカフェがあって、建物もそこからの景色も素敵でした。この見学は、出かけた先での思いがけない収穫となりました。

 黒部市の講演は、保育園を運営している「あいじ福祉会」主催でした。愛する子ども、愛児という意味なのですが、小さな子どもたちのプログラムの後がわたしの講演だったおかげで、若いお母さんやお父さんにおいでいただき、とても賑やかな講演会でした。

 29日日曜日は埼玉県本庄市、早稲田の教え子が市長で、その縁で、昨年のクリスマス近く「鬼かあちゃんのクリスマスプレゼント」という講演会で本をみなさんにプレゼントしています。今年は「まちづくりフォーラム in 本庄」と題してのシンポジウム、衆議院議員の小泉りゅうじさん、埼玉県知事の上田きよしさん、それにわたしの3名がコメンテーターで市長の吉田しんげさんがプレゼンテーターでした。、

 埼玉県に出かけたのは今年この1回だけ、昨年も1回でした。富山県などは今年だけで4回、中部日本、関西、四国、九州などには何回も出かけています。地域によるこの差は何かというと、「たかじんのそこまで言って委員会」が放送されているかいないかの差なのです。全国で、関東だけが放送されていない、ですから千葉県などは何年も行ったことがありません。講演のオファーがないのです。埼玉県の年1回も、教え子との縁がなければなかったでしょう。番組によってはテレビが大きな力をもつ、ということを身をもって感じています。

 日本の美味しい果物の季節です。信州からはリンゴ、九州からは柿、山形からはラ・フランスなどが届き、日本の豊かな恵みを味わっています。信州からのリンゴには、世界一のリンゴです、という内容の手紙が添えられていました。こういうお国自慢、大好きです。自分の故郷や地元に誇りを持ち、その恵みに感謝しつつ、友人や知人に自信を持ってプレゼントする人々は素敵です。「つまらないものですが」と差し出されるのはわたしは嫌いです。「つまらないものだったらいらない」と冗談が出てしまうときすらあります。わたしが差し上げるときには、自信をもって「これは台湾のとても美味しいものです」と言います。「つまらないもの」と言う習慣は、もうやめにしませんか。

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