WBC日台戦を観戦して (2013年03月17日)

 

 前回、WBC台湾戦について触れましたが、わたくしが主宰する美齢塾の塾生からも次のようなレポートが届きました。この3月に大学院を卒業する若者ですが、その場で感じたことを素直に表現しています。こうして現場に足をはこび、直接見て、感じる、そのことがこの若者を確実に成長させています。多くの若者にこんな姿勢を持ってほしい、そう願います。

**** WBC日台戦を観戦して ****
 3月8日金曜日、東京ドームで行われたWBC第二ラウンド日本対台湾の試合を見て来ました。試合は、1点ビハインドの9回2アウトから日本が中日・井端のタイムリーヒットで同点に追いつき、更に10回に日本ハム・中田の犠牲フライで勝ち越し。日本が苦しみながらも奇跡的な勝利をあげました。

 この激闘の日台戦。日本が勝って嬉しいのはもちろんのことですが、もう1つ嬉しいことがありました。それは、双方にとって厳しいゲームではありつつも、終始温かいムードで、互いの国の選手、応援団が健闘を讃え合いながら、スポーツマンシップにのっとって試合が行われたからでした。ネット上でも同じような発言はたくさんありますが、これほど素晴らしい国際試合はなかなかお目にかかれないのではないかと思います。

 東日本大震災に対する台湾からの義捐金をはじめとする数々の支援に感謝するプラカードを持った日本人の観客も複数。それらのプラカードが電光掲示板に映し出されると、試合中にもかかわらず日本側からも台湾側からも大きな拍手が起きます。

 負けてしまった台湾の選手団は、試合終了後マウンドに集まって観客に礼儀正しくお辞儀をしました。前回大会で日本戦に勝利したどこかの国が、マウンドに国旗を立てたのとは大違いです。日台戦の様子を報道した台湾のある記者は、「敵であり友である関係、こんなシーンはおそらく日台戦でしかみられないだろう」と語っています。本当に素晴らしい光景でした。

 4時間半を超える激戦を見終えて東京ドームを出ると、既に日が変わっています。自分がプレーをしたわけでもないのに、緊迫のゲームを必死に応援していたためか、どっと疲労感を感じつつ、でも、どこか温かい気持ちになりながら、後楽園駅から終電の丸ノ内線に乗り込んで帰路につきました。

 マウンドに国旗を立てたどこかのチームは、大方の予想に反して、台中で行われた第一ラウンドで敗退して、姿を消してしまいました。敗退後、この国から聞こえてくるのは、台湾の気候が合わないから負けたとか食事が合わないから負けたとか、そんな言い訳ばかり。日本チームを讃える台湾チームの監督や主力選手の敗戦の弁とは、これまた大きな違いを感じます。こんなことをしている限り、この国は本当に強くはなれないのではないでしょうか。

 一方、日本はメジャー組の不在や代表選手の女性問題など様々な問題を抱えつつも、ここまで勝ち進んできました。日本はやはり強い。個々の身体能力は欧米のプレーヤーに劣るけれども、日本はチームになるとそんなハンデを上回る強さを持っているのでしょう。米国・サンフランシスコでの決勝ラウンドも頑張って、必ず三連覇を果たして、世界一になって帰ってきてほしいと思います。

(東京 S)

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