５日は四日市、三菱東京ＵＦＪ銀行四日市支店のお客さんの会、勢和会での講演です。「せいわかい」というとかつての自民党最大派閥「清和会」があります。森喜朗さんが会長だったころ、募金パーティに呼ばれたことがありますが、何千人と集まる、わたくしにとっては初めての大規模なパーティでした。字は違いますが、同じ読み名を聞いて懐かしい思いがしました。

　この懐かしい響き、やはりご縁があったようです。呼んでくださった支店長さんがわたくしのファン、地方の銀行とか信用金庫にはよく呼ばれますがメガバンクは初めてです、と申し上げたらとてもお喜びになっていました。実は東京の丸の内に戻ることが決まっている、とのこと、ご栄転です。講演後の懇親会では、乾杯の音頭をとった勢和会の副会長さんが、お話の中でわたくしのホームページのコラムの内容に触れ、しっかり読んでくださっていて、ちゃんとわかっていただいているのを知り、とてもびっくりしました。コラム「金美齢の言いたい放題」は続けなくちゃいけない、とあらためて考えています。

　この副会長さん、わたくしが持参した「金美齢のお茶物語」のチラシをお渡ししたところ、すぐにＦＡＸでお申込みくださいました。嬉しいですね。出かけるときに、忘れなければチラシを持参して配るのですが、間違いなく反応があります。すぐに、じゃあ試してみよう、という方がおられて、これが何よりも嬉しいのです。飲んでいただければ間違いなくいいものであることが分かるのですが、ままごとみたいで、なかなか広がりません。このようにすぐに応じていただく方がおられると思わず喜んでしまいます。

　四日市は日帰り、翌６日は北海道です。お話をいただいたとき、小樽と聞いて、ラッキーと思いました。かなり前ですが、小樽青年会議所のお招きで出かけて、みなさんからかなりの歓待を受け、雪の降る小樽で素敵な写真を撮っていただいたことがあって、小樽にはとてもいい思い出があるのです。ところがです、講演は岩内というところでした。小樽から車で９０分、羽田から新千歳までとほぼ同じ時間がかかります。新千歳空港から小樽まで１時間以上、そこから更に９０分、とにかく遠い。広い大地に住む北海道の人にとっては車で２時間、３時間は当たり前、岩内は小樽の近く、ということなのでしょう。距離感が全く違うことを実感しました。

　いままでに最も遠いと思ったのは四万十市、高知空港から車で３時間とか３時間半かかります。あの遠いところ、と機会あるごとにさんざん言ってきたのですが、岩内も決して負けてはいません。でも、人口１万４千人の岩内町で講演会の整理券が１，２００枚以上出たとのこと、嬉しいじゃありませんか。光栄としか言いようがありません。数日前に、湧別で雪に埋もれた人が亡くなったりして、北海道どうなんだろう、遭難したらどうしよう、でもわたくしが遭難したら喜ぶ人もいる、などと半分冗談で考えたり。はがきが届き、汚い字で「死ね！」って書いてある。こんな人はきっと喜ぶんでしょう。でもはがきの宛名は金美齢様と「様」扱い、おかしな人です。講演ではそんなことも笑いのネタにしています。

　３月になれば北海道ももう大丈夫、などと考えていたのに湧別での遭難事故があって心配しましたが、往きも帰りも時間通りでした。時間通りに飛び立って、時間通りに着陸して、ＪＲも時間通り、さすが日本の交通機関は立派なものです。岩内の方々にも歓迎していただき、控室に花束が２つも届き、講演後にもまたいただいて、懇親会では美味しいものがたくさん用意されていました。ゆっくりいただきたかったのですが、なにしろ宿泊する小樽まで９０分ですから、涙を呑んで岩内を後にしました。いただいた花束、１つは籠に入っており、それは事務所に飾ってあります。

　小樽には適当なホテルがなく、泊まったのはビジネスホテルです。部屋が狭い上にバスタブがなくてシャワーのみ、大浴場が朝１０時まで夜を徹してやっている、とのことですが、そこまで出かけても、ということでシャワーのみとなりました。でも朝食は良かった。北海道のものがいろいろあって楽しく、しかもわたくしの顔を知っている人がいて、牛乳をうんと熱くしていただけますか、とお願いすると、どうぞどうぞどうぞと親切にしていただき、お代わりもいつでもどうぞ、って。朝ご飯を食べないわたくしが、豊富にそろった北海道のものを前にして、ご飯を一口とお味噌汁、何と言うんでしょうか、たくさんの具が入っているものをいただきました。久々の和風朝食です。

　遠かったけど、行ってよかった。近くにはニセコがあるという岩内、なかなか行く機会はありません。そんな町の方々が、わたくしの話を聞いて下さるのは大変光栄ですし、嬉しいことです。しかも歓待を受けて、こんな幸せなことはありません。