烏龍茶は中国ではなく台湾(その3) (2011年12月08日)

 

 不易流行、日本におけるこの立派な言葉、解釈には諸説あるものの、いつの世の中でも絶対変わらないものがあり、時代によって変えなくてはいけないものがある、ということを教えてくれます。変わらない、変える、を見定めるためには、歴史、文化、伝統を踏まえたうえでの、本質を見る力が必要です。結局はその人の器、ということになるのかもしれませんが。

 前々回の「お茶は中国が発祥の地です」というメールについても、ルーツや血統を重要視する日本人の特質を見た思いがします。それはそれで確かに重要なのですが、あまりにもとらわれると判断を誤ります。血は日本人でも、アメリカで生まれ育った人のアイデンティティはアメリカ人、日本人ではありません。数年前、ある日系アメリカ人の下院議員が、確か従軍慰安婦の問題だったと記憶していますが、アメリカの国会(下院)に弾劾案を提出したことがあります。このときフジテレビの黒岩さん、いまは神奈川県知事、が「この人日系なのに}とコメントしています。いかにも日本人らしい発想、と思いながら聞いていました。アイデンティティはアメリカ人、と理解していても、日本人として無意識に見てしまう、そこから脱却しないとものごとの本質は見えてこないのではないでしょうか。ルーツも大切ですが、いまどうなのかはもっと大切なことです。いま、安全で美味しい高級烏龍茶は中国ではなく台湾なのです。

 10月中旬からのハードスケジュールも今月3日でひと段落、普通のペースに戻りつつあります。来年の1月中旬からまた忙しくなりますが、 今年の山は越えました。わたくしのお茶物語、飲んだ方からはご好評をいただいております。皆様もぜひお試しください。

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