烏龍茶は中国ではなく台湾(その2) (2011年12月01日)

 

 大阪地裁で28日、タンクローリーが歩道に乗り上げ、歩いていたお二人が亡くなった事故で、危険かつ身勝手な自転車での横断が事故を誘発したとして、自転車の男性に実刑判決が言い渡されました。ここで思い出していただきたいのが、前々回のコラムの「先日、新宿の人混みで自転車の後部に幼児を乗せた母親が、スマート・フォンをいじりながら、道を横切って行った」という「たかじんのそこまで言って委員会」での発言です。事故は片道2車線の交通量の多い広い道路で、母親が渡っていたのも同じような新宿通り、その危険性を指摘したにも関わらず、理解していただけない人がいたのは残念なことです。

 前回コラムの「烏龍茶は中国ではなく台湾」に関しても、反論ではないのですが、「お茶は中国が発祥の地ですよ」というご意見をいただきました。そうです、発祥の地は中国です、でもそれを見事に育て、世界一と言われる烏龍茶を提供しているのは台湾なのです。漢字などをとり上げて、日本文化の多くは中国から来た、とありがたがる人がいます。でも、そんなことをありがたがるよりも、それを生かし活用した日本の先人たちの努力こそ称賛し敬うべきです。漢字だけでなく、ひらがなもカタカナもあり、長い歴史の中で多くの人が日本語の豊かさを育んできました。特にカタカナは西洋の文化を取り入れるのにどれだけ役に立っているかわかりません。日本人の努力が今日の日本の文化、伝統を作り上げているのです。それを後生大事に、「中国から来た、中国から来た」と。大切なのは今どうなっているのかです。それは今に至る先人たちの努力の結果なのですから。しかも、中国はいま簡体文字、漢字の美しさを無視し、表意文字としての発想も伝わりません。

 台湾での烏龍茶栽培が発展したのは日本統治時代です。当時、お茶の研修所のようなところにいた台湾人、後にお茶の名人として有名になった方ですが、その方が「毎日記録をつけなさい」と日本人技師に言われ、たくさんの大学ノートを残したそうです。天候によってどう変わるのかの記録です。そんな愚直なことを日本人はやります、中国人はしません。その結果が新幹線での安全性の違いとなって表れるのです。発祥よりも大切なのはその後と今、台湾の烏龍茶が世界一であることをわたくしは自信を持って公言しています。

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