Tシャツを作ってみて分かったこと(その2) (2011年08月04日)

 

 前回のコラム「言いたい放題」で、「謝意をどう表わしたらよいのか、とか、とりあえず金さんから台湾に伝えて欲しい、とかいった内容でしたが、そういう方々からの注文はあまり見当たりません。世の中そんなものか、ということも今回学びました」と申し上げたところ、「(このことを)金さんに言われてビックリした次第です」、「ちょっと傷つきました」という2通のメールをいただきました。でも先の発言はわたくしの正直な気持ちなのです。

 ホームページからいただいたメールは全て読んでいます。台湾への感謝の気持ちを綴ったメールは、毎日、ときには1日60通以上も届き、それらを読みながら、これほど多くの方々の謝意を具体的な形で表現できたら、日台の親交を促進できると考えました。今回のTシャツはそのためのものです。みなさんからのメールを真摯に受け止めての行動でした。でもメールの送り手にはそれほどの真剣さはなかったのだろうか、膨大なメールを懸命に読み、真剣に考えたのは何だったのだろうか、という疑問から、先の発言となりました。ネットは便利なツールではありますが、プラスもあればマイナスもある。行動や責任を伴わない軽い発言も目立ちます。それでは、人と人、心と心を結んで何かを生み出すことはできません。常々のそんな思いもあってのことです。

 それからこれは余計なお節介ですが、ビックリされたり、傷ついたりされた、とのことですが、このようなことをあまり軽々しくおっしゃらないほうが良いのではないでしょうか。ご自分の信じていることをぶれずに進むことこそ大切で、価値観が多様化しているいま、他人の発言にあまり過剰に反応する必要はないでしょう。まあ、それが自然の感情なのでしょうから、とやかく言うことではないかもしれませんが。

 「質問があります。このTシャツの収益は、どのように使われるのでしょうか?」「このTシャツの売り上げからは利益は出ますか? 出る場合はその使い道を教えていただけませんでしょうか」というメールもいただきました。これも偶然ですが、2通です。在庫が残ればおそらく赤字でしょう。そうなれば、数字上の赤字に加えて、わたくしやスタッフがかけた時間や労力も含めて、採算はまったく合いません。お金儲けを考えたら、こんなことはできません。これは日台交流のための活動です。完売して数字上だけでも利益が出た場合は、わたくしの一存で、日台交流のために使わせていただきます。こういった質問には、「活動している人間は大変な思いをしている」という想像力がない、と感じてしまいます。想像力のない人の発言は真剣さがなく無責任になりがちです。発言する以上はよく考えてからにしてほしいものです。

 この際なのでもう一つ言わせていただきます。メールは全て読んでいる、と申し上げましたが、時間の無駄だったと思うようなメールもあります。軽い気持ちで、思うままを述べているメールはご遠慮願いたい、それにハンドルネームでのメールもご遠慮願います。責任のある発言をお寄せください。そうしないと、お互いの時間を無駄にすることとなります。お互い、建設的なことに時間を使いましょう。

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 多くの方の声に背中を押されて始めたこのTシャツ、生まれて初めての企画、デザイン、それに物売りです。その大変さを実感するとともに、新しいことを始めることによって学ぶことがある、前回のコラムではそんなことを述べたつもりでした。新たなチャレンジには常に学びと発見があり、人の成長につながります。それはわたくしにとっても同様で、今回もいい経験となりました。このTシャツを着て台湾に出かけた、あるいはこれから出かけるという方がたくさんいらっしゃいます。社員全員が着用しての写真をお送りいただいた会社もございます。そんな方々に、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

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