烏龍茶は中国ではなく台湾 (2011年11月25日)

 

 前回、10月末から休みなし、と書きましたが、その後、講演も移動もない日が2日ほどありました。このハードスケジュールもそろそろ終盤です、一日一日を乗り越える努力をしております。このコラムも滞り、久しぶりの前回では「毎日開いていましたがやっと読める日がきて安心しました」とのメールをいただくほどです。楽しみにしているので少なくとも月2回は載せてほしい、といったメールもいただいております。

 このハードスケジュール、高齢者のわたくしにとっては緊張ぎみの日々、健康管理に努めながら何とか無事にやりこなしつつあります。天皇陛下ご入院のニュース、畏れ多くもわたくしも同年齢、昭和8年12月生まれの陛下と昭和9年2月生まれのわたくしとは同期の桜、畏れ多くもですよ、そのニュースで「ご高齢ですから・・・」とのナレーションが入るとドキッとします。わたくしも全くご高齢....なのにこの移動ぶりはなんだ、ってときどき考えてしまいますが、とりあえず今年は約束したことをしっかりこなしてまいります。

 そんな状況に凝りもせず、お茶の販売を始めようという、大胆不敵な行動に出ようとしています。ずいぶん前から、金美齢事務所を開設したときから、いづれ台湾のお茶を日本に紹介したいと考えていました。日本では、烏龍茶というのは中国のお茶、と思われていますが、中国からの烏龍茶は決して良いものではありません。長年の共産国家主義のもとで、贅沢は許されない、ということでお茶の栽培は放っておかれた面があるのです。反面、台湾では資本主義のもと、蒋介石が持ち込んだ美食の伝統ということもあり、お茶への関心は高く、いいお茶がどんどんできるようになっています。烏龍茶なら台湾なのです。

 このことを知らない日本人に台湾の烏龍茶をぜひ紹介したい、ってずーっと思っていましたが、きっかけがなかなかありませんでした。そこに、我がJET日本語学校に入ってきた台湾からの留学生、実家が茶園、彼も含めて親子三代、いまでは台湾でも希少価値となった伝統的な手作りで烏龍茶を作り続けていて、自分たちのお茶に大いなる自信とプライドを持っています。このお茶の輸入販売を始めることにしたのです。横浜に着いた烏龍茶、税関の方が「何でこんなに高い単価なのか?」と通関業者に尋ねたとのこと、多くの烏龍茶を扱っている税関でのこの質問、他の烏龍茶の原価はとても安い、ということなのでしょう。高価な理由の一つはティーバッグに包装してある、ということなのですが、本質的には、中身の烏龍茶の品質の高さなのです。わたくしの学校の卒業生が、その父親と、さらには祖父から受け継いだ手作りの高い技術で作り上げるお茶、自信を持ってみなさまにお届けいたします。

 これで、日本の方に台湾の美味しい烏龍茶を紹介したい、という長年の願いが一歩前進いたしました。今月末発売の新著「美しく齢を重ねる」(ワック)をお読み頂ければわかりますが、母の実家が少しは名の知れた茶行(ちゃこう:お茶の栽培から卸、輸出までを手掛けるお茶の専門企業)でした。そんな血筋だからこその願いでもあったのです。

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