恵まれた講演 (2009年06月10日)

 

 4日木曜日は広島と呉での講演2つです。3日夜、最終便で広島空港に着き、定宿であるホテルグランヴィア広島に10時過ぎに入ったのですが、支配人や社長にお出迎えいただきたいへん恐縮しました。リピーター客に対する姿勢という点で、福岡のホテルでは残念な思いをしただけに、その大切さをあらためて実感しました。

 このホテル、20階全部をイノベーションして、ロイヤルスイートともいえる広い部屋を2つのジュニアスイートに分割しました。将来はホテル評論家、と半分冗談で公言している私としては気になります。ロイヤルスイートのように大きく、小さなミーティングができたり、お客様を迎える部屋があったり、細長いバスルームがあったりするよりも、2つに分けたジュニアスイートのほうが使いやすそうです。それにロイヤルスイートを使うお客様はそうたくさんはおられないでしょうから、このほうが実際的でしょう。今回はこのジュニアスイートに泊めていただきました。ここにくるといろいろな部屋を試しに用意してくれるので、とても楽しく、ホテル評論家としては勉強にもなります。

 広島はフジタ建設関係の団体や企業のみなさんの年1回の会合での講演で、そのあとに、呉での呉信用金庫主催「くれしん文化講演会」でした。文化講演会も年1回で今年で17回目、毎年たくさんの方からの応募がある人気講演会ですが、今年は特に多くの応募があり抽選に漏れた方へのお断りが大変だったそうです。いつも2つの講演があり、今回は最初に元日本テレビアナウンサーの小早川さんが40分、次に私が1時間でした。1時間というのは、興が乗ってくると少し足りません。

 満員の約1,500人の聴衆をまえに、とても楽しい講演会となりました。講演後は、信用金庫の理事長さん、お世話いただいた広島テレビの事業部の社長さんらとの食事でしたが、これがたいへん美味しい料理で、大満足でした。呉のホテルのシェフだった方が始めた、カウンターと小さな部屋が1つある料理屋さんで、フレンチとイタリアンのいいとこどりをしたような料理です。ホテルで重ねた経験から生まれた、とても美味しい、それも少量ずつ、たくさんの種類をいただき、とっても楽しい食事となりました。呉でこんなに美味しいフレンチそしてイタリアンに出会えてとても幸せな気分です。

 講演においでいただいた方々からたくさんのお土産をいただきました。次から次へと、最後には広島名物のお好み焼きまで、あまり多いので宅急便で送るはめになったのですが。講演は楽しいし、夕食はご馳走になる、お土産はたくさんいただく、とても恵まれた講演会でした。

 素敵な出会いもありました。産経新聞グループによる日台交流青年スカラシップで台湾への研修旅行に招待された16名、その団長さんだった呉出身の広島大学医学部5年生の女性が講演を聴きにきてくれました。講演前に素敵なお手紙をいただき、台湾で感動し、呉での私の講演をお母さんと一緒に聴きたい、と。彼女は作文の部で優秀賞をとり、私はその審査員でした。

 講演タイトルが「凛とした母親が日本を救う」なので、そういうお嬢さんをお育てになったお母様はきっと凛とした方なのでしょう、といったことを講演で話をし、「朋美さん、来ていますか?」と声をかけたところ、本人が立ちあがったそうなのですが、客席が暗くて私には見えません。講演後、担当者が気をきかせて出口で朋美さん親子に声をかけ、私の控室まで連れてきてくれました。お母様が目を真っ赤にして喜んでおられました。そんな、とてもいい出会いにも恵まれた講演会でした。

 7日日曜日はオペラを観に行きました。東京二期会の若手による「ウリッセの帰還」で、これが予想を超えたいい公演でした。ホメロスの「オデッセイア」をもとにした作品で、イタカの王ウリッセが自国に戻るまでの話しと戻ってからの話しなのですが、たくさんの登場人物があり、二期会の若手をダブルキャストで出演させるのにちょうどよい作品です。人物が多く、大変な演出になります。でも二期会、層が厚いですね。大勢の歌い手を育てて、なかなか立派なものです。王子の「北とぴあ」での公演、日本ではなかなか上演しない、というか、できない作品を観ることができて喜んでいます。

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