80歳の誕生日 (2014年02月07日)

 

 2月1日に放送されたテレビ愛知「ニッポンの皇室スペシャル」、ローカル番組なので愛知とその近辺でしかご覧いただけませんが、その中で、外国人は皇室をどう思っているか、という話題がありました。韓国の方はなかなか答えようがないのですが、わたくしは「多桑(とうさん)」という台湾映画の話をしています。このタイトルは日本語の「父さん」のこと、それを当て字で漢字の「多桑」としたのです。

 この作品をご覧いただいた方もいらっしゃるかと思いますが、「悲情城市」の脚本を書いた呉念眞が監督で、彼自身の父親のことを赤裸々に描いています。彼には理解できないのです、父親がなぜこれほどに親日なのか、なにかというと日本、日本と言うのかを。そんな状況を象徴したシーンが、ラジオの具合が悪くなると蹴飛ばして、これが日本製だったらこんなことは起こらない、と怒る父親の姿です。「とうさん」の望みは、いつか日本に行って皇居を訪問したい、ということでしたが、叶うことなく亡くなってしまいます。映画の最後は、息子、つまり監督自身の投影、が父親の遺影を持って皇居の前に立ち、父さん、ここが皇居です、と話しかけるシーンでした。台湾人が天皇陛下を、皇室を、どう思っているかがとても良くわかる映画なのです。

 テレビでの発言なので、ここまで長々とは話しませんでしたが、台湾の多くの人が皇室をどう思っているのかを伝えることができたのではないでしょうか。この「多桑(とうさん)」の話しがとても印象的だった、と番組プロデューサーから後日メールをいただきました。またこの話しのときに視聴率も伸びた、とのこと、好評だったようでお話しした甲斐がありました。

 残念なことに、この映画の日本での興行成績は全く振るいませんでした。台湾ではかなり評判になったというのに。当時の日本は台湾に冷たかったのです。こんなにいい作品なのに、残念で、もう一度どこかで放映したいぐらいです。

 2月5日はまたまた名古屋、トラック協会主催の講演です。前日4日にいつもの名古屋マリオットアソシアホテルにチックインしましたが、正面玄関におひな様がでーーんと飾られていました。数日前からだそうですが、昨年はもう少し控えめ、といってもかなり目立ちましたが、今年はそれを上回るスケールです。正面のひな壇を取り囲むようにたくさんの吊るし雛が飾られています。

 吊るし雛との最初の出会いは福岡県の柳川でした。寒い最中にウナギを食べたいと出かけたのですが、たまたま2月だったのでしょう、この町の伝統である吊るし雛が飾られていました。初めて見て、なるほど、ひな壇に飾るのではなく、一つひとつが手作りのおひな様をこういうふうに飾るんだ、へー、と思ったのを覚えています。

 その後どなたかにいただいたのですが、我家には場所もなく、しかも洋式の家なので、飾るに飾られず、嫁さんからの提案で、孫たちが通っている幼稚園に寄贈しました。この幼稚園は、四季折々のことだとか、日本の伝統行事だとかを大切にしていて、この吊るし雛も毎年飾られているとのことです。

名古屋マリオットアソシアホテルの吊るし雛 名古屋マリオットアソシアホテルの吊るし雛

 マリオットホテルの方に、その豪華な吊るし雛を撮っていただきましたので、みなさんご覧ください。大好きな名古屋、そこでの仕事がしばらくないのでとても残念ですが、また出かけて行って、誰かとご飯を食べたり、買い物に出かけたりしたいと考えています。テレビ愛知の収録のときも、前日の1月31日に名古屋に行って、いつもの長島のアウトレットに出かけました。新年の休みが終わり、セールも終わって閑散としています。そんな比較的暇な時期だからこその、素敵な掘り出し物を見つけました。機嫌よくマリオットホテルに戻り、車を出してくれた美齢塾塾生と、もう一人の塾生も入って、12階の四川料理をいただきました。名古屋のお気に入りはホテルだけでなく、いろいろと楽しい場所、いくつかの美味しいお店、塾生などとのゆったりとしたおしゃべり、といろいろです。

 今日2月7日でいよいよ80歳となります。なんかピンとこないと言えばこないし、ちょっと不思議な気持ちでもありますが、80という区切りのいい数は気に入ってます。そんな誕生日、仕事なのです。千葉での講演、不思議なことにいままでも誕生日には仕事が入ります。まだ働け、また1年間しっかりやれ、という意味だと理解して、いくつになろうが、たとえ80だろうが、また1年間を元気に働こう、と気持を新たにする日ともなるのです。

 もうすぐ80と宣伝して歩いた効果なのでしょうか、誕生日前日の昨日、見事なバラが届き、美しい花をご持参いただき、素敵なロロピアーナの新作や、台湾からわざわざ手配されたお花が届きました。今日は朝からぞくぞくとお花が届いています。内閣総理大臣安倍晋三さんを筆頭に数名の国会議員の方から名古屋マリオットホテルの総支配人と多彩でたくさんの方がたから頂きました。みなさんありがとうございます。これを書いている午前中で、すでに大きなサンルームがお花でいっぱい、お花が好きなわたくしは花瓶持ちと自負していましたが、それでも花瓶が足りません。良く晴れたこの日、素晴らしい誕生日となり、すっかりいい気分です。齢をとるにつれて賑やかな誕生祝になっていくような気がして、これならば、まだまだ元気に、ますます賑やかな誕生日を迎えられるように頑張りたい、とも思うのです。それでこそ、わたくしのモットーである「美しく齢(よわい)を重ねる」に恥じることのない人生となることでしょう。

ページトップへ