感想メールをいただきました。 (2014年01月21日)

 

 届いたメールをご紹介いたします。1通目は19日日曜日の「南あわじ市文化体育館」での講演の感想、2通目は曽野綾子さんとの対談本「この世の偽善」(PHP研究所)の感想です。参考になるかと思いますので、お読みください。

***** 「南あわじ市文化体育館」での講演の感想 *****

 1月19日、朝からの小雪の中、何度見ても感動する明石海峡大橋の壮大な景色を楽しみながら、大阪から2時間のドライブで、南あわじ市の「元気の森ホール」に到着しました。「今冬、淡路島で一番寒い日です」と、地元の方がおっしゃっていました。

 素敵なパンツスーツとストールで颯爽と演壇に立たれた金先生の第一声は「はい、そことそこの照明はまぶしいよ~」、「主催者のあいさつが短くてとてもよかったわ~」.....会場からは遠慮がちな笑い声が....。演題は「地域再生・日本再生」です。他国がリーマンショックから回復しても、日本ではデフレが続いていたので、先生はこれまで「日本再生への提言」というテーマでお話されていたのですが、1年前に安倍政権が誕生してから、経済状況の好転にあわせて「日本再生始まる」というテーマに変えられたということです。

 これまでの経緯を振り返りながらのお話......某元首相がまた登場してきましたが、趣味で政治はしていただきたくないとばっさり(彼が首相当時、先生がテレビで彼をdilettante(好事家)と批評されたことを褒めてくださった亡夫周先生の思い出を楽しそうに語られました)。そしてあの某元外相・文科相を持ち上げたマスコミと国民、また民主党政権の3年3ヶ月の無残な政治、先生はそのすべてに「NO!」をテレビではっきりおっしゃった唯一の方と言ってもいいのではないでしょうか。今となっては信じられない気がするのですが、「たかじんのそこまで言って委員会」のレギュラー出演者の中でさえ、民主党政権樹立に反対をされたのは先生だけでした。私たち日本国民のこれら長い苦々しい経験を経て、やっとたどりついた安倍政権、「日本国の八百万の神々の思し召しでしょうか、奇跡の再登場です」と、「だからこそ今私たち一人一人も、どうしたら日本の再生を確実なものにできるか、どうしたら地域の再生を成し遂げられるのか、考えて行動しましょう~」と訴えられました。

 そして鳴門大橋の景色の素晴らしさ、淡路島の美しい花々、魚介類のおいしさ、名産の玉ねぎ...もっと宣伝をして観光客を増やしましょう~と。日本への外国人観光客は最近増えたとはいえ、諸外国に比べてあまりにも少なすぎますが、その少ない年間1000万人の外国人観光客のうち、台湾からの観光客が200万人ということを教えていただきました。ここでも日台の絆の深さを知ることができます。日台交流に捧げられた先生のご努力の成果ともいえますね。日本の美しい自然、秩序ある社会、美徳を失わない日本人....。日本にいらして55年、アウトサイダーとして、また今ではインサイダーとして、様々な体験をされた先生のご講演は笑い、叱責、そして示唆に富んだお話で盛りだくさんで、一時間半はあっという間に過ぎ、まさにその会場名にふさわしいひと時となりました。

 ホールを後にして、夕日に輝く神戸の街を眺めながら車で明石海峡大橋を渡るとき、心がうきうきしている自分に気が付きました。力強いお話で私たちを元気にしていただいた金先生は来月「傘寿」をお迎えになります。


***** 曽野綾子さんとの対談本「この世の偽善」(PHP研究所)の感想 *****

 前回bsフジの番組で金先生が曽野綾子さんとの対談がある、とのお知らせがありましたが、残念ながらBSアンテナを取り付けていないので視聴できず... おそらく「この世の偽善」の本と同様の話題ではと思い、その本を読んだ感想を述べさせていただきます。

 本書では、この世は不条理に満ちている、からの始まりでした。私自身も「自分は悪いことをしていないのに、なぜ私が悪者のような扱いをされるのか」と悔しい、悲しい感情を抱えて過ごさなければならなかった辛い経験がありました。

 「人間は辛いこと、嫌なことができた時に自信がつく」

 本書にこの言葉がありましたが、そうだと実感します。自分の言動を鑑みたり、多くの人に話を聞いてもらうなど問題を客観的にみた上で「私は間違っていない!」と自信を持つことができれば、堂々と相手を見据えることができるものですね。(脅しのようなことを吹っかけられてきた時は、内心怖かったですが・・・)

 このような経験を通して、他者の発言によって感情を振り回されることが少なくなりました。これが、耐え難きを耐えれる、ということでしょう。

 次に一番印象に残ったのは、「『土木』を貶めてはならない」という曽野綾子さんのダム建設に従事された方々のお話でした。日本はインフラ事業は世界トップクラスを誇り、その恩恵の中で私たちは生活しています。それが当たり前の日常の中にいると、数えきれない先人たちのお蔭様で生かしてもらっていることを忘れがちになっていたことに気づかされました。

 もう一つ、忘れがちなのが「危機管理」です。さすがに明日とも知れぬ命を思う日々を体験したことがないので、「危機管理」の重要性を深刻に考えているだろうかと自分に疑問符を付けてしまいます。本書でも、美齢塾のメルマガでも、金先生がおしゃっていたのは交通機関を利用する上での危機管理です。目的地へ時間通り到着するためには2つ3つ先を想定して考えて行動する、ということ。命の危険に遭遇する確率が他国に比べて低いとしても、不慮の事故は起こりえます。まずは、金先生のように交通機関を利用するような日常生活の中で「危機管理」を意識していこうと思いました。

 厳しいけれど、凛とした人間になるためのエッセンスが沢山詰まった本でした。

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