富岡での講演と翌日のオフ (2008年09月24日)

 

 9月20日土曜日、群馬県富岡に出かけてきました。富岡青年会議所主催の講演会で「日本人の忘れもの」というタイトルです。去年からとても熱心にいろいろと打合せその他で何回も足を運んでくださったのに、ちょうど台風が来てしまって、せっかくあれだけ一生懸命準備をしてきたのに、講演会がうまくいかなかったらどうしようか、新幹線が動かなかったらどうしようかと心配しておりましたけれども、その気持ちが届いたのか、20日は台風一過、本当にいいお天気になりました。

 富岡製糸工場、これは明治5年にできた官営の製糸工場で、そこへも寄りましていろいろ見せていただきました。あの時代にあれだけの建物と、あれだけの製造工程ができたっていう、素晴らしい日本の先進性と、絹こそ日本の一番重要な産業であるという意気込みが感じられてとてもいい経験をしてきました。講演会場には多くの方、一般の方もお集まり頂いて、熱心に話を聴いていただいたので、とても嬉しかったです。

 翌日の日曜日、久しぶりに一日オフでしたので、台湾映画祭が開催されている六本木まで出かけてきました。1日に3つも観たんです。その前に2つ観てるんで、8本ある上映作品のうちの5本も観るという、まぁーずいぶんいれあげてきたんです。

 韓流映画、観てはないのですが、話を聞いたり、読んだりしていると、どーも中年女性がいれあげているのは、メロドラマ的な展開、ウエルメイド系とでもいいましょうか、よく作られたメロドラマ、英語で言うソープオペラ、そういうストーリーが多いように思うんですけども、今回の台湾映画は、そういうメロドラマティックな要素がまるでない、ある意味では結末のないというか、1つもハッピーエンドがないんですね。まあ人生っていうのはそう簡単にハッピーはないんですけど。

 屈折をかかえた若者たちが、自分の生きる道を模索している、そういう主題がバーンと放り出されて、この先どうなるのかな、といった思いを残したままで映画は終わる。昔、台湾の学生たちは、楽しいミュージカルではない、ちょっと分かりにくい、少しひねったような作品のことを「芸術作品」と言っていたんですが、なぜかあの時代の言葉が思い出されて、とても懐かしい思いがしました。それにしても、私が観た台湾の若い作家の作品は、ちょっと娯楽用というわけにはいかない、考えさせられるような映画ばかりだったと思います。

 もうそろそろ終わるんで残念ですけども。本当ならばもうちょっと早く皆さんにお知らせして、ぜひお出かけいただきたかったんですけども、残念ながらあんまり人が入ってませんでした。もっとどんどん人が入ると良かったんですけども。私の皆さんへのお知らせ、ちょっと遅かったような気がします。

※「台湾シネマ・コレクション2008」は一部追加上映、地方上映が決定しています。詳しくはオフィシャルサイトをご覧ください。

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