政治家の品格、有権者の品格 |

2008年8月29日の姫井由美子参院議員の新党参加ドタキャン!裏切り「姫」、9月1日の福田首相の電撃辞任、これらを予言したかのような本書は、本質を見つめる金美齢だからこその内容ともいえる。
日本の政治と政治家を見つめて半世紀、メディアの発達によって民主主義のポピュリズム(衆愚(しゅうぐ)政治)化が進む現状には目を覆いたくなる、と金美齢が危機感をつのらせる。ここでは、政治家だけでなく、有権者に対しても苦言を呈している。コモンセンスを持たない、私利私欲やブームで1票を投じる品格なき有権者が、政治家の品格を貶めているからだ。祖国台湾がたどった道のりとともに、政治に大きく揺り動かされた人生を経験している金美齢の、政治家評、あるべき有権者像は、多くの有権者、とくに将来を担う若い人たちに読んでほしい内容だ。(by I.H)
2008年08月