日本が子どもたちに教えなかったこと |

戦後日本の教育はどこで間違ったのか。かつての美しい日本人の心を取り戻すには何が必要か。荒廃する日本を立て直すための直言。
日本を深く愛する台湾人論客が自らの子育て体験を交えながら語った教育論。著者は、留学先の日本で学問の道を歩みつつ二人の子どもを育て上げた。台湾当局から「独立主義者」としてマークされ、祖国へ帰ることも許されず、異国の地での子育てだった。パスポートのない人生がいかに厳しいものであるかは、日頃から空気同然に国家の恩恵に浴している者には想像しがたい。しかし、そのような生き方を選択した著者の決意の強さは、子育てに対するブレのない姿勢にも表れている。子どもに最も大きな影響を与えるのは、親の生きる姿勢である。道徳の荒廃、少年犯罪の多発など、教育をめぐる近年の様々な問題は、親が自分の生き方に自信を失っていることと無関係ではない。「勤勉で礼儀正しい」「治安がよい」といった日本や日本人のイメージがもはや過去のものになりつつある現在、日本人がもう一度自信と誇りを取り戻すために何をすべきかを考える書。
2005年04月